ゆりな

ショーイング・アップのゆりなのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)
3.8
「芸術家の日常」とあらすじを観たときに、なぜか「人のセックスを笑うな」を思い出した。
昔に比べて、おうちにいながらもこんなにA24の作品観れていいんですか?というお気持ち。
ケリー・ライカートの映画、過去作どれもFilmarks3.9以上ってすごくない?

何かに没頭している人が好きだ。冒頭タイトルのゆったりした感じがもう好きだ。恵比寿ガーデンシネマあたりで観たかった。
今後確実に私が好きな感じのおすすめの映画特集に入れられるだろうし、自然に溢れた大きな家と大きな窓と田舎過ぎない雰囲気がドンピシャ。
現実のアーティストや美大生は大変と分かっていても、この映画の世界観に入り込みたくなる。私は凝り性だったり何かに熱中してる人が好き。

「パターソン」にしても「何かに追われていない」っていう映画が好きで。鳩とピンクのチューリップと生成りのショルダーバッグが後部座席に乗せられてるサマとか、そんなワンシーンがなんか愛おしい。
あと単純にフォトグラファーだったり美術担当だったり、そのあたり出身の映画監督にハマりやすく好み。

初めて観たけれど、ケリー・ライカート監督の難しくも軽過ぎずもなく、押し付けがましいメッセージもなく観られるところに虜になってしまったし、まだまだ観ていない作品があるのも嬉しい。

「個展を開く」って人生の中でも指折り数えるほどの大きなポイントのはずなのに、順風満帆じゃなさそうな主人公とか、取り巻く人とか、派手でも地味でもなくそれぞれ生きているのが良かった。
ゆりな

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