ゆりな

幸せへのまわり道のゆりなのレビュー・感想・評価

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
3.7
「君は信念を持っている。正しさと間違いの区別ができる。
覚えていてほしい。お父さんとの関係が、君のそうした部分を培った。」

この映画を観た誰もが「わたしも、わたしのロジャーさんに会いたい」と思うことだろう。かくゆう自分もそう。
正直前半1時間つまらないのだけど、トレイシー・チャップマンの曲がかかる後半30分からグッとよくなる。

都合の良さそうな父親に対する不満、正直自分の父を見るようで辛かったです。
前半、終始父に対してイライラしてるロイド(マシュー・リス)のことを「実の父になんでこんな冷たいの?もっと優しくしなよ」と口に出して言える人は、それこそ恵まれた環境に感謝した方がいい。
捨てられて苦しんで、母を看取った側はいきなり調子良く帰って来られて「反省している」なんて言われても、都合良すぎて無理なんですよ。

普段は全然大丈夫なのに、トム・ハンクスの第四の壁が気持ち悪く感じてしまったのはわたしだけ?

フレッド・ロジャーのことを知らないので最初ついていくまでのテンポに慣れずにいたが、わたしがあまりにもせっかちなのだと気付かされる。
思えば好きな映画ベスト3に入る「I am Sam」もこんなスローだった。

嫌味な記者(主人公)の態度や質問にもめげず、ちょっと会っただけの人のこともこちら以上に覚えてるロジャー、頭良すぎるんですわ。

全体的にちょっと物足りなさが。原作小説読んだらまた違うのかも?

以下ネタバレ


この映画は素敵なもので。終盤しっかりお父さんが謝り和解するけれど。この映画を観ていて、許せない人のことを無理に許す必要はない、でも過去の自分は許してあげて。って思った。
ゆりな

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