切ないラストで描かれがちな「フランケンシュタイン」の物語が、こんなハッピーエンドで綴られるなんて!
2024年間違いなくベスト1映画だし、今年だけじゃなくて、今後もかなりお気に入りの作品。
町山智浩の紹介をだいぶ前に読んだけれど、大枠忘れていてよかった。なぜならこの映画はネタバレが分かると少しも面白くないので。
「メアリーの総て」が大好きで、メアリー・シェーンの物語が元々好きなので余計たまらんかった。
ちょっと前はゴンドリーやこうゆう世界観の映画があったのに、最近減った気が。
ゴンドリーやソフィア・コッポラの映画に、スクリーンでときめいていた時代を思い出しました。
▼映像
なぜか「自殺した女性が脳移植で蘇り(ここまでは正)、ファンタジーの国でやり直す話」だと思ってました。
そのくらいスチームパンクで彩られたリスボンの街が素敵で、見所がありすぎる!!
「魚眼レンズのため、どこが映り込むか分からないから」と作り込まれたセットはテーマパーク以上の美しさで、YouTubeにあがっている特典映像でもワクワク。
ベラの寝室の壁紙、屋敷のブルーでまとまったお皿とダイニング、庭、歩くと30分かかるらしいリスボンのセット、船、雪のロンドン。どれもたまらなかった。
▼音楽
あまり知名度の高くないアーティストを直に口説いて作成とのことだけど、評判に上がっている通り、これがとてもよかった!
鑑賞後に繰り返しサントラ聴いている映画は久しぶり。
序盤のベラの知能がまだ子供のシーンのときは、単純で大きな楽器の音がボンボン鳴っていたのに、リスボンに着いた途端、花開くみたいにオーケストラのような音楽に変わる変化とか。
▼ストーリー
先日たまたまXで、障害を持つ人向けの風俗嬢の人のインタビューを見て。
急な性なる目覚めだけど、知能が追いついていないから、大っぴらな性行為が悪いものと分別できていないのは、Xの投稿と似たものを感じた。
どんどん自分で道を切り開き、解決していくベラは純粋に逞しかったし、あっけらかんとした感が見ていて心地よかった。
そんなわけで飽きずにスクリーンに目が釘付けになった2時間でした。
以下ネタバレ
・ずっと肩幅のあるパフスリーブの衣装多めなのに、男と対等に肩を並べなくていいシーン(パリでのやり直し、戻ってきて結婚を誓うシーン)では肩幅がない服なの、グッと来た。
・パッと「私医者になるわ」と決めたベラも、博士との別れもよかった。
正直この辺りで終わりだと思っていたら、将軍出てきて、すっかり序盤のなぜ自殺したのか?何をしていたのか?の伏線思い出したwこの謎が語られないまま終わっても違和感ないくらい。