ゆりな

海がきこえるのゆりなのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
4.4
最後のセリフがなかったら100点。

チル系?Lo-fi系?のシティポップでアニメがよく使われているイメージの本作。

小さい頃からなんとなく「大人じゃないとつまらないだろうな」と思ってたが、30代で見れてよかった。
でも10代で見ても、新卒の20代に見ても、また違った感想が出たと思う。

アニメだけど、実写映画の名シーンにすら台頭できるカメラワーク。
本当に飽きさせなくてずっと🥺この顔で見た70分。そよそよ流れる音楽も好き。

なんと言ってもキャラの圧倒的な魅力よ。
ジブリの男キャラで誰が好き?って聞かれたら間違いなく杜崎と松野を押す。高校生にして出来てる。

「自分の好きで憧れもややある友達の好きな人が、くだらない女だったら嫌だ」って気持ちが分かる。

小さい頃見てたら里伽子無理だったろうけど、大人になるとこのワガママさが羨ましい。
美人だけどずっと不満で楽しくなさそうで。元彼に傷付けられるも、サッと見切ってばっかみたい!となれる里伽子が、90年代のヒロイン感あって分かる分かる〜だった。
ごめんねって素直に言えるから、観てる人はみんな里伽子を嫌いになれない。

「お風呂場で寝る人」のセリフのくだりの小粋な感じ、成長途中だがかっこいいショートヘアな明子は、この後の「紅の豚」に通ずるものを感じた。

私は最後のセリフがいらないと思ってて、なければ満点。
野暮だしそうだったんかーい!と思い。

まぁでも登場人物みなよくて、杜崎も松野も里伽子も明子も幸せになってよね、と思った。こちらが願わなくても彼らならなれそうだけど。

〜おまけ〜

よく行くロックバー飲み屋でこの話したら、「よくかかってるシティポップのYou Tube動画のサムネイルがそうですよ。このシーンは本編ないですけどね」って言われて、通りで親しみやすさ感じるわけだと思った。

最後の一言がいらなかった〜と言ったら「僕は好きですけどね」と笑われたので、なんだか救われました。
ゆりな

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