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CUBEのkuuのレビュー・感想・評価

CUBE(1997年製作の映画)
3.8
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🔳『 CUBE 』 原題Cube  🔳→
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製作年1997年上映時間91分

立方体(キューブ)で構成されトラップが張り巡らされた謎の迷宮に、突如放り込まれた男女6人の脱出劇を描くカナダ産シチュエーションスリラー。
『ワンセット物で登場する役者は7人』ちゅう触れ込み低予算作品。
ほんと終始張り詰めた緊張感の中で物語が展開する。
カルト的人気を誇るビデオ版、DVD版に収録されているナタリ監督の短編映画『Elevated』が本作品の原点だそうっす。

目が覚めると謎の立方体(CUBE)に捕らえられていた数人の男女。
誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、彼らは死のトラップが張り巡らされたこの立方体からの脱出を試みる。

今作品は、雰囲気とトーンだけでストーリー展開を楽しむことができました。
照明、
影、

などの使い方が絶妙で、閉所恐怖症でない小生でさえ、閉所恐怖症のような雰囲気や、壁が迫ってくるような錯覚を強め、さらに、
耳障りな効果音や、
荒い息づかい、
そして、ささやき声のような台詞を加えることで、逃れることのできない状況を作り出していると感じた。
因みにキャラに刑務所の名前がついているだけでなく、刑務所そのものが反映されている。
例えば、ロシアのカザン(精神障害者のキャラ)は、精神障害者のための刑務所。
レンヌ(「指導者」)は、今日の刑務所政策の多くを開拓したフランスの監獄。
クエンティン(刑事)は残虐なことで知られる。
ホロウェイはイギリスの女子刑務所で、
オルダーソンは隔離が一般的な刑罰となっている刑務所。
レブンワースは厳格な規則に基づいて運営されており(レブンの数学)、
新刑務所は企業が所有し建設されている(建築家として雇われたワース)。

観てる側は、キューブの中にいて、収容者たちと一緒にいる様に感じる。
ただ、今作品の唯一の難点は、非常に想像力に富んだ前提を持っときながら、人間の条件について決定的なことが何も語られていない。
収容者たちはパニックに陥り、逃げ出し、プチ成功してもまた失敗して、それをと繰り返しているが、これらすべての最終的なポイントに到達することはない。
なぜこの物語が語られたのか。
製作者は何を伝えようとしたのか。
結局、よくわからないが、同時にどうでもいいことなんかもしれへん。
たとえ最終的なゴールが曖昧であっても、旅だけで十分すぎるほど面白い。 スリラーやサイコロジカルホラーのファンなら多くがハマるであろう今作品は、強烈な体験やし、日常生活から離れて、逃げ場のないような耐え難い状況に小生を誘ってくれた。

一辺が約4.2mの立方体の小部屋からなる。
小部屋の上下左右前後の六面は全く同じ構造・デザイン。
一つの面は囲の字で、中央に正方形のハッチ式扉が一つ、井の形に2本の細い梯子が縦方向・横方向共に埋め込まれている。
壁は全面発光パネルとなっており、電子基板を連想させる幾何学的な模様が浮き出る。
発光パネルの発色は部屋によって白・赤・青・緑・薄茶と様々であるが、カラーリングが意味するところは不明。

このような小部屋を1単位として、一辺が130mの立方体である外壁の内側にぎっしりと積み重なっている。

上記のように、どの部屋も基本構造は全く同じであるが、部屋によっては殺人的なトラップが仕掛けられている場合がある。

扉は隣接する部屋の扉と連動しており、手動で自由に開閉し、そこから近傍の部屋を覗き込んだり、ハッチをくぐって移動することができる。

センサーおよびトラップには様々なタイプがあるが、どれも発動するまでは壁面に格納されているため、一見してトラップの有無を判別することは困難。「罠のある部屋に入る」=「即死」というわけではなく、罠やセンサーの種類によっては、回避したり、発動させずに通過することもできる。

劇中で見られたセンサーおよびトラップは以下のものがある。

・センサー加圧・振動探知機音声探知機(扉の開閉音には反応しないようになっている)
・接触探知機分子探知機(靴などには反応せず、人体に反応するようになっている。探知しやすくするためか、このセンサーが設置されている部屋は空気が乾燥している)
・トラップ可動式のワイヤーナイフガスバーナー薬品(溶解性の高い劇薬)
・無数の針
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