三郎丸

CUBEの三郎丸のレビュー・感想・評価

CUBE(1997年製作の映画)
3.3
【人間の心根はキューブより複雑】

久しぶりにキューブシリーズマラソン大会

本作品は、舞台こそ立方体間を移動していくだけですが、集められた不運?な6人の登場人物たちの精神状態の紆余曲折旅作品だと感じます。

キューブ自体の存在意義や狙いは何ら説明ナシ不明なままです…
今でこそ、様々な視聴者に投げっぱなしシチュエーション・スリラーはありますが、本作品はその走りだという認識です。

キューブ内部の色が、緑、青、赤、黄、白と変わるのが物語のキーです。
青や緑の部屋では、比較的登場人物達は温和な描写で、赤の部屋に入ると、互いに感情的に敵対心むき出しにする場面が多くなります。
登場人物の精神状態の不安定さをうまく描くことで、
【淡々としかねないキューブクリアまでの道程】
がスリリングになるところは素晴らしい!
極限状態に置かれた人間の精神状態が単純に破綻するのではなく、その人間の持っている本性が浮き彫りにになってくる、キューブに閉じ込めることで、人間を試しているのではないでしょうか…

素晴らしいよ!ポイント
・キューブの中には女性、ハンディキャップ等関係ございませんな容赦ない描写の数々。
あくまで、キューブの中でうまく立ち回ることが出来なければ【死】しかないという展開。
・終盤まさかこの人の死に様しっかり描きますかね!?というショッキングな映像。
誤魔化さず、あったことをちゃんと描くところに好感です。

これではダメなんだね、ポイント
・やっぱり人間【欲】があります。
不要かもしれないけどやはりその欲に対してちゃんと描かないと【人間味】が薄まる気がしました。特に食用。ボタン舐めて唾液が出たところで食欲が抑えられるはずはないんです…
・登場人物の設定は裏切って良い。
ラストは意表を突かれるのですが、いまいち味気なく感じました。キャラクター設定として実は普通の男性だったら(ユージュアル・サスペクツ的な)…
三郎丸

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