三郎丸

3月のライオン 後編の三郎丸のレビュー・感想・評価

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
3.5
【遂に完結か…とまではならない】

前編観たので後編も鑑賞!

主人公の将棋差し、それを取り巻く人たちの
【人間ドラマ】
です。
【いじめ(屋上から飛び降りさせよう、なんて完全に集団暴行でお巡りさんお願いしまーす!ですが…)、家族の問題等】
前編は、主人公の成長を中心に据えたストーリー。
後編は、主人公が
「周りの人たちに支えられている、だから僕は将棋を打つ」
という人としての芯が出来る。
原作は未読ですが、
【主人公の成長を描く】
ところに重きを置いたのはとても良かったと思います。
スマートに人として、棋士として強さを持ってしまうようなストーリーであれば薄さが出てしまう…

ここは良かったよ!ポイント
・主人公を取り巻く【家族の問題】に大部分を割いたこと。
極端ないじめ話や、自分勝手な父親との関係、特にいじめには胸を締め付けられるような部分があり、明るい家族に見えて【それぞれ問題があるんだよ】と主人公に突き付け、主人公にとって【自分以外にも苦しみを持った人たちがいる】ソコも含め主人公の成長に結果としてプラスに働いたんだと感じました。

ここはダメよ!ポイント
・豊川悦司の家族にも問題があったがその長男(引きこもり)に対する解決法が中途半端。主人公が声かけて引きこもりが治れば誰も苦労しない…(その部分含め人間ドラマを更に掘り下げてたら、結果肝心要の将棋シーン無くなってしまう畏れがあるので仕方ないとは思いました)

神木隆之介
・凄い役者。憑依系なんですかね?
子役からずーっと活躍している感じ(朝ドラ主人公もしっかり演じてますし)
様々な役が出来る人なんだと思います。

伊勢谷友介
・チャラチャラ親父を好演。
大麻なんて…良い役者だと思いますけどね…体型だけ見ても完璧主義な感じがしますし、家族に【自分を理解して貰えなかった】と察した時の切ない表情なんかとても良かったと思います。

作品の終わりとしては、例えば
【ロッキーシリーズ】
であればスタローンが顔歪めて必死に牛肉叩いてトレーニングして「さぁ、シバくぞ!」とゴングが鳴ったところで作品終了という感じで、アメリカの観客は
「フ○ック!!カネ返せ」
になったと思いますが、本作品は
【将棋対決】
に重きを置いてない。ということなんだと感じました。
原作は読んでないですが、ストーリー展開について個人的には正解だと思います。
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