予告編から気になり鑑賞！
"崩壊=崩れ壊れること"
まず、シーンの繋ぎ方が面白い！！とにかく印象的。一つのシーンにおける小物、人物の動きや視線、セリフ…など、細かくあるいはダイナミックに繋げていく、その流れに魅入った。
刑事と被疑者のラブストーリーではあるが、刑事が被疑者を観察するとき、被疑者と同じ空間に自分もいる映像のつくり、こちらにも息がかかりそうな程聞こえる呼吸の音、によって私も同じ空間に一気に引き込まれた。
被疑者が刑事を観察するときも、その視線の動きや見たものを映すことで、2人の間の空気感が表されていてうまい。
「好き」という言葉はあるが、「愛している」と言わず、肉体関係もない。ただ、2人の視線や眼差し、ときに小物を通して、想いやその時々の心情がすごく伝わってくる。
本作の映像表現の巧みさについて、上手く言語化できないのがもどかしいが、全編を通して、言葉ではなく、「映像で語る作品」だというのをよく感じさせるつくりで、なかなか見応えあった。
事件に関するサスペンスについては、真相そのものよりも、真相に近づいていく"過程"、真相の"その後"にゾクゾクした。
2人の行方にドキドキしたが、そうなるとは…。あの選択も一種の愛情表現というか、愛なんですね。
少し上映時間が長く感じてしまったが、最後まで映像に魅せられた作品でした。
