きょう

CLOSE/クロースのきょうのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.1
親友同士である13歳のレオとレミは、学校でもプライベートでも行動を常に共にしていた。だがある日、あまりにも親密すぎることをクラスメートにからかわれたことから、レオはレミへの接し方に戸惑い、彼についそっけない態度をとってしまう。二人の仲は次第にぎくしゃくしていき、ささいなことで大げんかになる。


レオとレミは幼い頃から仲の良い親友同士。2人でいることが当たり前。
2人が笑顔で元気いっぱいに野原を駆け回ったりして遊ぶ姿が本当に微笑ましく、私もその仲間に入れてもらいたい気持ちになりました🥹✨
しかし、中学に入学してから、周囲のクラスメートにその仲良しぶりをからかわれ、レオはレミに対して突き放すような態度をとってしまうようになります。
2人はお互いに大好きで一緒にいたい親友同士なだけ。どんなに2人の強い友情を説明しても、周囲はそれを子供ながらの心ない言葉で傷つける…
13歳という多感な歳頃。だんだんと心身共に大人として成長していく段階。
レオは周囲からの影響でそんな心情もどこか恥ずかしさを感じるようになり、違う意味で意識してしまうようになる。それが結局、相手を突き放す態度になってしまったのでしょう😣レミは不安が募りそれを理解できず、2人の関係はギクシャクするばかり…そして、大喧嘩となり、大きな距離感が生まれたまま月日がながれ…
2人の距離は大きくあいたまま、レミはこの世を去ってしまいます😢どのように亡くなってしまったのかがストーリー上あまり詳しく描かれていないのが戸惑いましたが…
きっとレミは苦しんだのだと思います。レオとの関係が修復できなかったことに対してはもちろん、相手の心情を理解できなかったことに…
そして、レオはレミの死をきっかけに、自分がレミを追い込んでしまったという罪悪感と大切なものをなくした喪失感に1人悶々としながら何事もなかったかのように過ごします。特にレミの母とのやりとりはどこかぎこちなくて、緊張感最大な感じで見ていて苦しかったです。打ち明けたいのに打ち明けられない…葛藤するばかりでした。
レオには兄がいて、常にレオに対して優しく、その優しさに救われていたように感じました。
最後にはとうとうレオはレミの母に真実を告白するのですが、レミの母はそれを知り、レオを思い切り責めるのかと思いきや…
そんな流れにならなかったのはレオとレミにしかわからない深い事情があったと理解したからだと思います。恋愛、友達、家族などあらゆる人間関係って、部分的なところだけ見てそれが良いか良くないかは決められないから…
大切な人との人間関係のすれ違いから、大切な人を失い、そこにもがき苦しみ、レオは人間としてとても成長したように思いました。
これからも良いことも良くないことも当たり前のように経験していくと思います。
そして、さらに大人になっていくのでしょう。


静かな流れのストーリー。そんな流れだからこそ、登場人物のやりとりや表情や「間」の取り方が心にずっしりきました。
少年同士の親密な関係がテーマにあるのは、つい先日観た「怪物」。「怪物」はその少年たちを取り巻く者たちの状況や気持ちなども描かれていましたが、こちらは本当に少年2人のやりとりから、お互いの気持ちがすれ違っていき、そこから関係が破壊😢というあくまでも2人が中心。
多感な歳頃の大人と子供の狭間で揺れ動く、繊細な心をクローズアップした、自分自身の思春期を思い出させる重みのある作品でした🥺🥲
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