きょう

仕立て屋の恋のきょうのレビュー・感想・評価

仕立て屋の恋(1989年製作の映画)
3.6
ミシェルブラン演じる、人付き合いを避け隣人たちから煙たがられている仕立て屋イールのただ一つの楽しみは、向かいのアパートに暮らすサンドリーヌボネール演じる美女アリスの私生活をひそかに観察すること。ある日近所で殺人事件が起こり、刑事は孤独な変人イールの犯行ではないかと疑う。一方、自分をのぞき見るイールの存在に気付いたアリスは、彼が真相について知っていることを確かめようと接近するが…


仕立て屋として真面目に働き、慎ましい生活をしているイール。しかし、彼は人との交流を避け、孤独に暮らしている変わり者でもあり、ハツカネズミ🐁を可愛がり、唯一の楽しみは向かいのアパートに暮らす美しい女性アリスの生活ぶりを覗き見すること💦
イールのアリスを覗く姿が本当に気持ち悪くて不気味😱💦しかし、不気味さの裏側には寂しさやアリスに対する恋心も隠されているようでした。
近所で殺人事件が起こり、警察は変わり者でみんなから嫌われているイールに疑いの目を向けます。
そのうち、アリスはイールが自分のことを覗いていることに気づき…アリスには結婚を約束している恋人がいました。2人はとても仲の良い恋人同士でしたが、その裏にはこの殺人事件に関連している秘密がありました。
最初はアリスはイールが自分を覗いていることを気味悪く感じていましたが、何か気持ちが変わったかのよう彼に対して好意的に近づいていきます。
覗き見したりするのは気持ち悪いことですが、何だかこのイールの行動、凄く好きな人に片思いをしていて、臆病で不器用すぎるために近づきたいのに近づけない、ただ、遠くから見ているだけの自分自身の若い頃の恋愛に被る感じもしました。まあ、自分はさすがに覗き見はしていませんよ😂でも、好きでいるだけで幸せな気持ちにもなりました。
イールはアリスを愛しすぎているから、アリスの裏にどんな気持ちが隠されていようと自分の方へ気持ちを傾けてきたこと自体が束の間の幸せだったかもしれません。
しかし、殺人事件に関連して、アリスの恋人はアリスのもとから去っていきます。
そして、ここからがこの物語のコワイ部分で、恋人を守るためにイールの純粋な恋心を利用したアリス…そして、イールの悲劇…
イールがもう少し上手く相手を愛することができれば、人との繋がりをスムーズに行っていればこのような悲劇は起きなかったかもしれません。
フランス作品ならではのラストに衝撃と切なさを感じました😱😢😭


人を好きになることは素敵なこと。でも、恋愛に限らず人間関係は相手あってのことで、自分の思いだけではどうすることもできないもの。相手の気持ちを考えずに自分が良ければいいという考えは、歪んだ関係となりますし、必ずどこかでボロが出て上手くいかなくなります。
イールのアリスに対する気持ちだけでなく、アリスのイールに対する気持ちもアリスの恋人に対する気持ちも、全て歪んでいたように思いました。何かを守りたい気持ちは一緒でも、その方向が違っていたから起きてしまった悲劇とも感じました😭
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