きよぼん

ゴールデンカムイのきよぼんのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
4.2
「すごい映像」なんていらんのですよ(*´∀`*)

「オレは不死身の●●だ!」って、男の子が一度は言ってみたい台詞やね。

激戦の日露戦争を生き残った杉元とアイヌのアシリパ、死んだはずの新撰組の生き残りたち、陸軍のはみ出しモノといった豪傑たちが、北海道に隠された金塊を奪い合う。

原作未読。マンガ原作だし、まあこのあたりかな、と思っていたラインの遙か上を越えてきた。キャラも物語もいいのだけど、一番は主な舞台となる、深い雪山での映像の説得力だ。

かなりの現地ロケを行っているだろうし、どれだけCGを足してるかはわからない。大事なことは、この質感が映画の空気に自然と「なじんでいる」こと。この質感がなければ、脳汁だらりの中尉役の玉木宏も、白髪の剣豪を演じた舘ひろしも、ただのコスプレで終わっていたことだろう。

細かな事を言えば、粗はある。雪山を俯瞰でとらえた映像がない、アクションシーンはCGのチープさが目立つところもあるし、小樽の街は(現実はあんなものだったかもしれないが)もっと群衆がいてほしかった。

でもそんな派手なだけの「すごい映像」なんて、映像が物語の空気になじむことにくらべれば、後回しでいい。丁寧な映像が空気を作り、そのリアリティがウソをホントと思い込ませ、映画を支えるんだよなー。

近頃の邦画は、特に映像面に関してはブレイクスルーが起こってるといってもいいと思う。これからもっと面白い作品出てくるぜ。

「邦画なんてみてるやつはダサイ」と、言ってるヤツがダサイ時代がきたな。
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