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インランド・エンパイアの10000lyfhのレビュー・感想・評価

インランド・エンパイア(2006年製作の映画)
4.0
ローラダーン演じるハリウッド女優の、実生活と映画の中の世界、さらに分身と思われるポーランドの売春婦の世界が交錯。

ニッキー(本作でのダーンの役名)/スー(作中映画でのニッキーの役名)が、明示的に現実世界と撮影中映画の世界の区別がつかなくなり、続いてタイムスリップも明示されるあたりから、複数のストーリーラインの時空を超えた交錯が怒涛のごとく押し寄せる。現実世界の自分、自身の分身、作中映画中の役など、複数のストーリーが並行し、それぞれに時系列シャッフルがあり、さらに相互にも絡み合うなど複雑。しかし、「分析すればプロットの筋はきちんと通っていそう」と直感的に思えるので、安心してリンチワールドに没入できる。冒頭の、ニッキーの隣人の中年女性の言葉は大きなヒント。

クローズアップが多すぎるような。手持ちカメラも。画質も、意図的にデジタルビデオで撮ったとのことだが、当時の技術水準ゆえか、かなり粗い。また、全体が 3時間と長いが、間延びするカットも目立ち、あと 30分は短くできたと思う。。。などなど、先行する LA 2作品に比べて若干キレが悪い。

リンチファンとしては「お帰りなさい、ダーン」。ダーンの体当り演技(も少し綺麗に撮って欲しかったとも思うが)は圧巻。エンドロールでの笑顔眩しく、共同プロデューサも務めるなど映画人としての成長ぶりも、ファンとして胸熱
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