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ミセス・ハリス、パリへ行くのshihoのレビュー・感想・評価

3.5
【初老おばちゃんが主人公の朝ドラ】

戦争で愛する夫を亡くし、失意のミセス・ハリス。家政婦業の働き先のセレブマダムのお宅でディオールのキラッキラのドレスに心を奪われ、有り金まとめてパリにドレスを買いに行く!

鑑賞中、頭の中でハリスおばちゃんに幸せになってほしい!応援したい!という気持ちと「そんな上手くいくわけないでしょあなた」というツッコミが綱引きしてました。ご都合シンデレラストーリーというよりは山あり谷ありで展開が激しく、15分刻みくらいで上がったり落ちたりするものだから本当に朝の連続テレビ小説みたいだった(笑)

花屋の奥さんだった人がキャッシュでお支払いのお客様とは言え、天下のディオールにここまで意見できるかなぁ?経営とかなんも分かってないのに?
チーフもモデルさんもここまでロンドンから来たおばちゃんに(人柄的に惹かれるものがあるとはいえ)数日でここまで心開いてくれるかなぁ?
走れメロスで王様が改心しなければメロスは妹の結婚式に出た後死力を尽くして走った後殺されたわけじゃないですか。そんな感じで「でもこれって心優しい人がそこにいなければおしまいでしたよね???」って場面が多くて、ちょっと心の底からはストーリーに浸れなかったですね。運が良くなきゃとっくに破滅してる。

ただ、凄く良くしてくれた相手に「あなたは天使?」って言ったり、相手の人柄見定めないで親切にしたり、周囲の人に恵まれてそこそこ幸せに生きてきたんだな〜って思える主人公の素直で可愛らしい人柄は魅力的ではあったし、こういう人に応えてあげたくなる人種はいるだろうし、それが結果として幸せの連鎖みたいになるんなら、それはいい事だなと思いました。
なんでもかんでもはダメだけど、何かあると亡くした夫からのお告げだと思うようなメンタリティは健康的ですね。

1950年が舞台だからだいぶ価値観違うだろうな〜。黒人の女友達が完全に少女漫画やドラマにおける「主人公より美しくなく、面倒見が良く、周囲に言いづらいことはズケズケ言ってくれる三枚目の都合のいい友人枠」に思えてなんだかなって。私の心が汚れてますかね(笑)

パリの街並みは美しく、ファッションショーのシーンのモデルさん達はお人形より美しくて、ドレスもロマンティックで素敵でした。フランス語ってそれだけでお洒落よね。
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