140字プロレス鶴見辰吾ジラ

映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.0
【救済】

お子様ランチでありつつ大人様ランチでもある、ピクサーやジブリのような親子視点で楽しませる野心ある70分。「ハーメルンの笛吹き男」をベースラインにした冒頭と肉付けしていく不穏/不安。今回はギフテッドの抱える鬱。アナキン・スカイウォーカーの闇堕ちのような中核が見えてくるまでのリズミカルなパレード要素や敵側の強さ設定の開示がスマート。ゆめあーるのようなエネルギー源の現実から乖離された不在性もインフィニティストーンからの引用を今回は巧く利用していた。クライマックスバトルは前半に作った劇場版スケール感に対して縮尺的なスケールの下降があったのが惜しいところだが、本作のプリキュアのキュア→癒しや救済の部分は、タランティーノ映画等に見える歴史上の事件を映画のチカラでひっくり返す、プリキュア映画にすれば“救済“するモノだったではないか?

今回はアナキンの救済?と感じたところ、2018年春はサノス?2019年スタプリは「2001年宇宙の旅」のスターチャイルドの救済?など(ゆめあーるのときもエヴァの先の救済要素なかった?)、プリキュア映画におけるダイナミズムが他作品のキャラクターの悲劇に対しての救済のようにも思えた。今回はそれがガッツリと作品のリズムやダイナミズムと歯車があったと感じた。デルトロが半漁人を救済したかったように、お子様ランチと大人様のお子様ランチの純粋な優しさをシリーズで反復される抱きしめる行為が優しくこころを包んでくれた。