140字プロレス鶴見辰吾ジラ

べイビーわるきゅーれの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
3.8
【Magical Sugar Rabbits】

「麻雀」「釣り」「戦車」「スーパーカブ」女子が主役をすれば早変わりする消費社会。コーヒーをブラックで飲みたい強がりの中にフィクションだからとガムシロップをドバドバ入れたい白昼夢的な欲望が、劇中の転換点になるメイド喫茶のシーンに込められたような気もするが、それは単なる脳内妄想かもしれない。ゆるフワとかバカ邦画が傾きたいテーマに予算を割かれる昨今で、低予算エンタメとして気怠い女子が本気になるクライマックス一点賭けのストリームの組み方は素晴らしいではなくノレる。「舐めてた相手が殺人マシーン」とはよく言うが、気怠い雰囲気が瞬時にキレ味を増すモーメントはみんな好きなのだろう。セリフの端々にオタク心を擽るモノの表面的、コント調の芝居のインスタントな雰囲気作り、教養度合は強くないかな?と不安になりつつも、「グッドフェローズ」@メイド喫茶のシーンからの反転感は良い。クライマックスの欠落感の中にようやく本気を出すスキルの爆発力。「ジョン・ウィック」の功績の大きさと、それにフォロウィングしてウソっぽさの中で本気が騒ぎ立てる要素はアガるのだ。

フィルマークスにて東京女子プロレスというプロレス団体をご存じの方はどれくらいいるのか?ドール性の高い女子がプロレスをやるビジネスモデルと思わせて、確かなスキルの下地がある高揚感に近いのが、この作品かな?と感じました。