「よだかの星」
冒頭のダンプカーという邦画が用意できるスケール感の疾走は素晴らしい。そこからのドライブ感、舞台劇を見ているような特撮への忖度とリアルを追求するが、昭和の音と安っぽさをオタク心が捨てきれないアンバランスなスタイリッシュ。そもそも庵野秀明の書斎にお邪魔する感覚で見るべき非没入と景色を眺めながら2.5次元を眺めるススメ。浜辺美波が本当に素晴らしい。2.5次元にいた。マフラーを巻いて欲しかった。必要なのは、力でなく女神なのだった。柄本佑のライダー2号も左は歌舞伎/右はスタイリッシュと実に面白いキャラクターだった。特撮を実写化し実写化をアニメ化する不均衡の中で、「春と修羅」→「よだかの星」と優しい心を持つ者の正しさという本質と倒錯の裂け目が書斎にディスプレイされていた。