あんまり自分が得意な方の映画ではないと思う。睡眠不足もあって、ウトウトしてしまった部分もあった。
それでも、時折撮り方・見せ方にハッとさせられる部分があり、ものすごく意図を感じて、この作品が言わんとしていることは一体なんなんだろう?と考えずにはいられなかった。
退屈な裁判を傍聴しているかのような感覚で見ていたのに、突然画角やカメラの方向が変わってドキッとしたり、最後にはカメラ目線の演説だったり。
子どもを海に置き去りにし殺害したとされる被告人・ロランスと裁判を傍聴に来ている妊娠中の女性・ラマ。2人の女性を通して、母親になるということをこれでもかというくらい苦しく考えさせられる。母親は子供と細胞のやり取りをしている、という表現はとても斬新な感じがしてドキッ、いやグサッかな。そんな風に心にざっくりと刺さって棘を残した感じがする。
実際の裁判記録を台詞にしているというから、裁判には本当にドラマや映画以上に色々なドラマが詰まっているなと改めて思う。