Mayo

逆転のトライアングルのMayoのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.0
なんかすごかった、面白かった。
「フレンチアルプスで起きたこと」がわりと好きだったので観に行ってみたけど、今さら私って結構ブラックユーモア作品好きなんだなという気づきを得た。

映画は3部構成。
冒頭から、この談義にこんな時間かけるの?
というくらいじっくり、デート代を男が払うべきか女が払うべきかという会話が繰り広げられる。人気モデルのヤヤと、同業ながら稼ぎは少ないモデルのカール。この2人の会話、とても興味深い。

第二部の船の中はすごかったなぁ。金持ちが金持ちとして豪華客船を楽しく過ごし、従業員は何に対してもYes, sir! Yes, madam! と答え、チップを跳ね上げるために頑張るという構図。インフルエンサーとしてタダで船に乗っているヤヤとカールの周りにハエが飛んでるのが面白い。
そしてキャプテンズディナーでの惨劇。あまりにも長いのでこちらも少し気持ち悪い気すらしてくる。
私も苦手だけど、嫌いな人は嫌いな嘔吐の描写が続くんだけど、それがコントにならず、ちゃんと「滑稽」に見えるんだからすごい。
こんだけ船長が船をほったらかしにしていて、何がきっかけで船が沈むのかなと思ってたから度肝を抜かれた!
というか、あれ?なかなか船沈まないなぁと思ってたら、映画自体が 140分ととにかく長くて…てっきり真ん中くらいで船が沈むと思ってたのですが、船が沈んでからやっと3部が始まるのです。

3部の無人島はまぁあらすじ通りの展開ではあるんだけど、生き残るためにそれぞれが知恵を働かせ、立場が逆転する。
食べ物を得るためにカールが身体を張るんだけど、他の男性たちも楽しそうだし、結構健康そうだから、どれくらい身体を張る必要があるのかよく分からず。。

ラストカット、めちゃくちゃ良かった。
のと同時に、心の中でカールに「おせーよ!!!!」とツッコミを入れた。そこまで含めてブラックさが楽しい映画でした。
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