ちゃんとゴジラ映画で、ちゃんとALWAYSだった。
子供の頃、弟と祖父と観に行ったゴジラvsモスラやゴジラvsキングギドラを思い出しながら観ていましたが、まさか最後泣くと思ってなかったなぁ。
今回のゴジラは表情豊かで、三角形を目指したというフォルムは顔が小さくやや可愛らしさもあり、一方で熱波を出す直前水色に光る時にはものすごくカッコ良かった。
素晴らしかったのはキャスティング。
まず主人公・敷島を演じた神木隆之介さん。演技が上手いとかいうレベルでなく、ゴジラに対峙した時人はどんな表情を?気を失って目覚めて昨夜のことを思い出した時は?目の前で大事な人がいなくなった時にどんな声を出す?私が一度も経験したことのないような極限状態にある人間が出す声や表情、動き方、神木さんの表現はすべてがリアルに感じられて、すごいの一言。
一緒に船に乗る佐々木蔵之介さん、吉岡秀隆さん、山田裕貴さん、このメンバーがとても個性的でバランスが取れていて好きでした。
近所のおばちゃん役の安藤サクラさん。もう樹木希林さんのような、年齢不詳のひとになっていて、台詞でないところの演技がとても良かったな。
終戦間際の日本という設定、戦争で死にきれなかった男たちが、ゴジラを前に今度こそは…と戦いに臨む。2023年にこんな設定を持ってきて、いったいどう終わりを作るつもりなの?と半ばイラつきながら観ていたのですが、最後の最後の展開で気持ちがひっくり返って涙が出ました。そこには生きろ、という大きな反戦メッセージが掲げられていて。
終戦から戦後にかけての衣装や建物などの美術はとても精巧に作られていて、ゴジラというファンタジーがめちゃくちゃリアルに感じられたのも素晴らしかった。
最先端のVFXと人間ドラマ、両方が堪能できるという意味で、あぁこれは山崎作品なんだなぁと感じたラストでした。
ゴジラのテーマソングがかかるタイミングが最高で、ゾクゾクしました。