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ランディ・ローズのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

ランディ・ローズ(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

オジー・オズボーン・バンドの初代ギタリストとして活躍し、2枚のアルバムをリリース後に飛行機事故のため25歳の若さで死去したランディ・ローズの生涯を描いたドキュメンタリー映画。

歌謡曲以外を聴き始めた高校時代から今でもずっと好きなギタリストの映画だったので劇場で鑑賞。アルバムはカセットが擦り切れるくらいに聴いたし、特にMr. Crowleyは人生で1万回くらい聴いている(多分......)

本編は少年期からクワイエット・ライオットとして活動していた時期のエピソードが大半で、僕はオジーと組んだ時代のことしかほぼ知らなかったためか、やや消化不良に感じた。金銭や権利関係の問題からかご本人演奏のオジー・オズボーンの曲が一切流れなかったのも残念。ドキュメンタリーとしては真摯に作られているものの創り手側の表現したい内容がイマイチ見えてこなくてひたすら「あいつのギターを初めて聴いた時は度肝を抜かれたぜ。ヒュー!」的なインタビューがひたすら続くだけで単調だし、ランディの人間性の部分の掘り下げが足りないように感じた。この映画ならではのお宝映像のようなものもなく、少しがっかりした。
また、これは個人的な意見だが、ランディの魅力を語るにはオジーの存在が不可欠で、華奢な美青年ギタリストと奇人のボーカルが凶暴で美しい音楽を作り出したことに我々は惹かれたのかなあと思った。ランディ個人はプレイはともかくロックスターとしては破天荒なところもなくややおとなしい印象なので余計にそう感じた。将来的にはオジーと歴代ギタリストたちのドキュメンタリーを作ったほうが売れそうな気がした。
それでも、10代の仲の良い友人たちで結成されたクワイエット・ライオットが輝きを放ちつつもなかなか音楽的な成功を得られない苦悩を重ね、やがて心ならずも仲間を裏切る形でランディがバンドを去る過程はとても切なくてしんみりとさせられた。
飛行機事故に至る経緯も初めて詳細に知ったのだが、遠征中にふらりと立ち寄った先でも思いつきの行動だっただけに、本当に残念。

モトリー・クルーで大成功を収めるニッキー・シックスがクワイエット・ライオットのオーディションを受けててメンバーにベースのテクニックをボロくそに言われていたエピソードが面白かった。
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