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ミンナのウタのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

GENERATIONSのメンバーの一人小森がパーソナリティを務めるラジオ局の倉庫で30年前に投稿されたカセットテープが見つかる。その日の収録を最後に小森と彼とともにテープを発見したADが行方不明となってしまう。
事態の収束を図るため、GENERATIONSのマネージャーは探偵を雇い小森の捜索を依頼する。探偵はメンバーに聞き取りをする中で彼らが目撃した少女らしき不審な影と、耳から離れなくなったというメロディの存在に気づくのだが......という話。

監督は「呪怨」の清水崇。GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバー7人が本人役で出演している。
今年の邦画ホラーの中では結構怖めとの前評判を聞いて鑑賞。レイトショーとはいえ観客は5人で男性は僕だけ(^^)

確かに観客をゾクッとさせるホラー描写は一見の価値のあるクオリティ。
清水監督は最近は「村」シリーズなどで精力的にメガホンをとっているものの正直ハズレが多い印象だったが、本作では往年の「呪怨」の頃のキレが垣間見れた気がした。下手を打つと失笑されそうな奇想天外な映像と恐怖とのバランスが絶妙。
特にGENERATIONSのメンバーが怪異の発端であるカセットテープ製作者の少女の家を訪れる場面は秀逸で、ループ的なシーンで三周目に母親が豹変する演出はかなり驚かされた。子役の不気味な使い方もさすがに上手かった。テープ製作者の動物や人間が死ぬ瞬間の音を録音するという生癖も面白いアイデアだった。

難点はGENERATIONSが本人役で出演していることが物語上ではほぼ意味がなく、ファンサービスや興行面の効力しかなかったことかと。僕はGENERATIONSに関する知識がなく、映画内でも名前以外は特に紹介場面が無かったため、彼らのキャラクターや関係性を掴むのが大変だった。物語を牽引するのは探偵役のマキタスポーツが行っていたし、GENERATIONSメンバー全員を活かしきれてはいなかった。三人くらいの出演なら調度良かったかも。
あと、事件と呪いの解決の流れもなんとなくは理解できるのだが、いまいち納得しづらいモノだった。早見あかり演じるマネージャーが少女に孤独や心の闇に寄り添った結果成仏したみたいな理屈なのかなあ?
ホラー表現以外の演出に変なところが多く、ストーリーも全体的に意外性に乏しかった。

あれ?メンバー7人のうち1人は最後のコンサートのシーン以外全く出てこなかった?
あと、メンバーの一人が霊感?みたいなものを持ってる設定だったけど、まさか現実の彼も霊感持ってるのだろうか......?
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