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君たちはどう生きるかのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

太平洋戦争の只中、主人公は東京空襲による火災で母を亡くす。その後、彼は父の故郷に疎開することになり、田舎の屋敷には父の再婚相手となる母の妹・夏子が数人の使用人とともに住んでいた。夏子はお腹には父との間の子を宿していた。ある日、夏子が行方不明となる。夏子が屋敷に隣接する森に向かうところを見かけていた主人公は、彼女を探すため森に踏み入るのだが......という話。
「風立ちぬ」以来、10年ぶりの宮崎駿の新作。ストーリーを含めた前情報を極力排除した最小限のプロモーションでも話題になっていた。

宮崎駿は80歳を超えていて、前作の「風立ちぬ」も現実路線な作風だったし今後は落ち着いた作品を手がけていくのかなあと勝手に思っていたのだが、まさかこんな混沌とした訳のわからない話を作るエネルギーを持っていたことに驚かされた。素直に脱帽。

事前の情報も無かったし、戦中の日本が舞台だったので途中からファンタジー(結局SFだったけど)になったいくのはかなり面食らった。僕は観ていないのだが千と千尋やポニョに似たテイストなのかもしれないが、とにかく話の先が読めないので観客として不安も感じたし戸惑った。数々の哲学的なメタファーはあとから考察し甲斐はあるのかもしれないが、観ている間は正直あまり楽しめてはいなかった。全体的に鳥を含めた出てくる生物たちがことごとく生理的嫌悪を感じる不気味さだったし、登場人物も内向的というか淡々としていて感情移入もしにくい映画だった。そもそも観客のターゲット層がさっぱり分からん(^^)
米津玄師の主題歌は良かった。
話題性の作り方とかアニメーションの質の高さでかなり売れそうな映画ではあった。

見ている間ずっと気になっていたのだが、父親が自分の妻の妹の夏子と再婚するのって主人公のショックがかなりでかそう。母が亡くなって何年経っているがよく分からなかったので、何とも言えないけど下手すると母親の生前から夏子と関係あった可能性もあるのかなあ。夏子側のストレスもありそうだし。まあ、物語の中でいろいろわだかまりも溶けていったようだけど。
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