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エスター ファースト・キルのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

精神病院に入院しているヒロインは成長ホルモン異常のため幼い外見をしているが実年齢は31歳の女性。彼女は用意周到の計画によって病院を脱走して自由の身となる。その後webの情報で自分と容姿が似ていて6歳で失踪している少女エスターに成りすましてその家族に紛れ込むことを思い立つのだが......という話。
11年ぶりの続編で前作の前日譚を描く。主演は前作と同じくイザベル・ファーマン。

前作の一番の見どころでもあり大オチのエスターの秘密が既に明かされている状態でどう面白くするのかなあ?と疑問を抱きつつ観に行ったら、意外性抜群のアイデアでその問題を遥か上のレベルでクリアし、極上のサスペンスに仕上がっていた。良い意味で予想を裏切られた作品。

主演女優も成長して26歳になっているのだが、撮影手法で子供に見せつつも、前回と異なりヒロインが大人であることを隠す必要もないので、役柄と実年齢がちょうどよいバランスとなっていた。
また、子供と偽って他人の家族に紛れ込むのは同じで前作との差別化をどうするのかと思ったら父親以外は悪人で本物のエスターの失踪にも秘密があったという設定が秀逸で、最初から偽物だとバレていたの驚かされた。母親と兄の都合で偽物認定されたあとも父親の前で娘を演じることになる。その際のヒロインと母親との陰湿な協力関係がコミカルで、終盤にお互いブチ切れて殺し合いになる展開も面白かった。前作が善人の一家で子役も可愛らしかったとは対極の家族構成だった。惨殺シーンはとことんスプラッターなところも清々しかった。

ヒロインはサイコパスなのだがポカも多く頭脳明晰とまではいかず、割と感情に流されるところも人間味があって個性的だった。
ただ一人純粋に娘が帰還したと思って喜んでいた父親がかわいそうだった。

母親役のジュリア・スタイルズがすごい誰かに似ている気がするのだが誰だろう?(笑)
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