三次元からきたブロンディ

パリタクシーの三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

パリタクシー(2022年製作の映画)
4.2
『パリタクシー』鑑賞

タクシー運転手のシャルルは借金を抱えながら家族の為に仕事は低賃金で長時間労働、そして休みもなく働いている。しかしそんな彼の元に一人の老婦人が現れる。

私は最初は本作はこの運転手と老婦人が愉快にパリの街中を巡る話と思いきやこれが意外にも重たい作品で、この老婦人のフラッシュバックが多く描写されている。終盤のラストは分かり切っていたことだが、劇中を観た時に本作は『ドライビングMissデイジー』(89)を彷彿させる部分があり、この映画とあの映画は似ている部分があり、この一期一会で両者が心を交わしていく内容も類似していた。

私は開始早々5〜10分ぐらいうっかりウトウトしてしまったが、物語も単純明快な作品なので、途中からでも何とか追えた。
タクシーと運転手もののジャンルの作品は傑作は多いが、本作は力作に相応しい映画ではないかと思われる。

本作を観ると劇中でパリを観光しているかの様に思えるし、またパリの街中を走り回る作品といえばクロード・ルルーシュの短編映画『ランデヴー』(76)も思い起こす事もあった。
因みに余談だが、クリスチャン・カリオン監督のインタビューによるとかなりとクロード・ルルーシュ監督の作品をインスピレーションしているそうだ。
本作は満足が行く1本なので、是非劇場で鑑賞する事をオススメします!