三次元からきたブロンディ

大脱走の三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
4.7
記録

ナチスの捕虜収容所に集結された連合軍の脱走のプロフェッショナルたちが計画を練り、脱走を企てるが…

第二次世界大戦中に起こった実話を基にスティーブ・マックイーン、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ガーナー、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンなど豪華キャストが共演。
ジョン・スタージェスの前作『荒野の七人』から続投した俳優が三人出演しているが、西部劇から今作は戦中の脱走劇を描いた作品である。

冒頭のテロップで「本作は脚色はしているが、計画した脱走はほぼ実話である」と記されており、これには驚きだ。本作を劇場鑑賞したのは2度目だが、何度も観ると脱走計画が練りに練られて試行錯誤しながら進んでいくので、180分近い上映時間がそんなに長く感じず体感時間も短く感じる。

連合軍の兵士たちの関係性もよく出来ておりこれも面白さの一つだ。
ブロンソンが演じたトンネル王ダニーと相棒であるウィリーとのちょっとしたホモソーシャルな様な関係性も面白く、ダニーはトンネル掘りのプロフェッショナルなのに本人は閉所恐怖症という性格面も面白い。

またラストの大一番で見せるマックイーンのジャンプシーンは昔私のTweetでも言ったが、ジャンプ直前にスタントマンのバド・イーキンスが務めている。元々マックイーンがこのスタントをやる気満々だったのだが、保険の問題で頓挫し、そこを上手く編集している。もしマックイーンが本作のプロデューサーを務めていたら絶対に彼は行っていただろう。
因みにこの映画は主要キャストが男性キャストしかいないので、正に''漢の映画''である。そしてエルマー・バーンスタインのテーマ曲は何度聴いても良い!

本作は60年代の娯楽超大作作品なので、現在午前十時の映画祭で各劇場で上映しています。またNew Line 株式会社さんが今月Blu-rayが発売されるので、これも是非!オススメです!