通りすがりのナポリタン

メトロポリスの通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
5.0
最高でした。作画は今まで見たアニメ映画で1番だった。
ジャズ風の音楽もかっこいい!

ケンイチと叔父である私立探偵のヒゲオヤジこと伴俊作は、ロボットと人が共存する大都市メトロポリスに、生体を使った違法実験を繰り返す国際指名手配犯でマッドサイエンティスト、ノートンを逮捕しにやってきた。しかし、メトロポリスはロボットと人間が共存する事はなく、ロボットは人間に酷使され続けたり、ロボットが現れ職を失った人たちがいたり、はたまた上層部でも表面は手を取り合っていても裏では蹴落とし合う混沌とした大都市だった。そして、ケンイチは謎の少女ティマと出会うのだった・・・

原作者である手塚治虫が描くメトロポリスを読みたくなるほど作画が良かった。日本のアニメ業界のトップたちが描くメトロポリスは夢世界ながらもどこか他人事にできない世界観が最高に美しかった。
ロボット達が懸命に働き、人間達は分散していく、お互いの生きずらさが複雑に絡み合い不思議な世界観を産んでいた。

ストーリーは少し難しくて、綺麗すぎる作画でもっと難しくなっていたが、理解できないほどではない、ケンイチとティマの純粋な関係が物凄く希望になっている。
実質的、メトロポリスの支配者レッド公のメトロポリスへの執着とロボットへの嫌悪、レッド公に心酔するロック、様々なキャラ達が行き着く先が何処なのか、面白く描かれていた。(ロックが出るシーンだけ異様にかっこいい笑)

今現実世界のバベルの塔はもう少しで崩れるのかもしれない・・・人とロボットの関係性をもう一度深く考えなくてはいけない美しくて恐ろしい映画だった。