うどん

西部戦線異状なしのうどんのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.1
過去作は未見だが、評価が高いので気になり鑑賞。

重低音が響きわたる虚しさ。

オープニングからツラい、重い。"軍服"の流れでドイツの現状がわかってしまう最初のくだりで、うぅぅと唸った。

前線に行きたい!戦争に参加したい!と意気込む若者たちを見て、冒頭から嫌な予感。この若者たちはどうなるのだろう…と不安を抱えたまま、ずっと見ていたが、虚しいという言葉じゃ足りない。なんで?と怒りすら感じるシーンもあって、誰も得をしない、何のために戦うのかすらもわからない、モヤモヤを全編で感じた。
将軍の身勝手さ、農家の少年の憎しみ、兵士になる前の生活…など、戦場の外でのエピソードも細かく描かれるので、戦争がもたらすあらゆるモヤモヤに考えさせられる。

戦場のシーンも、主人公たちの恐怖、死体や泥に足を取られたり爆撃で視界不良になったりする戦場のカオス感が出ていて、臨場感がすごい。先日のアカデミー賞の冒頭で、戦場の音をどう表現していたかチラッと映像が出ていて、改めて製作の凝り具合に唸った。

どうやって今作は終わるのだろうと思っていたら、はあああ…。塹壕の見せ方が上手いなと思っていたが、ラストの描き方も上手いなと。
冒頭から、ドォーンドォーンドォーンと響く重低音が厚くて圧倒されたが、見終わった後に残るのは空虚。鑑賞して良かったです。
うどん

うどん