ケイスケ

高速道路家族のケイスケのレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
3.4
題材やタイトルに家族と付いていることからやはり連想する映画は『万引き家族』や『パラサイト 半地下の家族』。正直この2つと比べると少し見劣りしますが面白かった。

ギウは妻子3人とテントに暮らしサービスエリアで再会することのない人々にお金を借りて食い繋いでいる。しかし、ギウは既にお金を借りたことのあるヨンソンに再会して警察に届けられてしまう。逃げたギウに置き去りにされた妻子をヨンソンは家へ迎えるが…。

パラサイトや万引き家族は罪を犯しながら生活する家族ものでした。本作も詐欺はたくさんしているんですが、どちらかというと罪を犯したあとの話。社会からつまはじきにされてサービスエリア生活を余儀なくされているため生きるために必死な家族を描いてます。

ずっとサービスエリアでテント生活をしている割には格好が小綺麗だったりする。なんなら家がある万引き家族の家族より綺麗っていう笑。一応、洗面所で頭を洗ったりはしてるけどね。あまり身なりのリアリティとかを追求するタイプの映画ではなく、どちらかというとストーリー重視でした。こういう描き方もありだと思います。

中盤から詐欺を受けたおばさんの家に母、息子、娘が居候するんですがここからちょっと退屈にはなるんですよね。ギウが脱走するくだりも雑だし。あと息子の行動にイライラするし、息子の怪我について旦那を咎めるおばさんも普通にムカついた。そら追い出したくなるわ。

正直、見終わると誰にも感情移入できなかったと思いました。ラストも考察、というかどうなったのかイマイチよく分からなかった。でも全体的には面白かったですよ。あと1歩の秀作というところかな。