ケイスケ

ボーはおそれているのケイスケのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
ホア虐やめて😭てかボウってこの映画の前日までどうやって日常を過ごしていたんだ?🤔笑。

父親を知らず抑圧的な母親のもとで育てられたことで、いくつもの不安症を抱えるボー。ある日、母が奇妙な死を遂げたと知り彼は実家に戻ることに。しかしその途中で交通事故にあい、ある家に運ばれてしまう。そんな彼を待ち受けていたのは、延々とつづく妄想の世界への旅だった。

最初の畳みかけるような勢いのスラップスティックコメディ感はめちゃくちゃ面白かった。ホアキンがひたすら「ワァー!」「ヤダー!ってちいかわみたいに叫びながら街に出て水を買うとこのテンポはかなり笑ったわ。アリ・アスターは全編このテンションで神経症スリラーを撮ったらかなり笑える作品を作れるのではないだろうか。

第二幕の家族の話も不気味で良かった。監督としては意図的なんでしょうけど、良い意味でめちゃくちゃ不快でイライラする。特にあのクソガキは衝動的にでいいから一発ぶん殴ってほしかった😡笑。ここは監禁スリラー的な展開で静かな狂気感が非常におもしろかったです。

ただやっぱり長げぇ。全編に渡って全然退屈はしないんですけど、家から逃走した先の村と演劇のところはもう少し何とかならんなかったんか。「ここで終われば傑作なのにな」と何回か思ったところで更に続くもんだから後半に行くにつれ少し冗長に。でも何度も「ここで終わればハッピーエンドだぞ!」と思っていたところを裏切ってくるからやっぱ面白いんだよね。ラストは逆にアッサリ終わるし。

言ってしまえば可哀想な人をとことんイジメるような胸糞映画なんですが、ホアキン力で絶妙に笑えるバランスになってる。逆にホアキンじゃなければ大ハズレだった可能性も大。ちなみにこの映画って考察で盛り上がってるんですが、そこまで考察する余地ありますかね?映画内でほとんど、何ならしつこいくらい語られてる気がするんですが。今作もアリ・アスターでしか作れない映画になってるし3時間たっぷり不条理を楽しみたい人にはおすすめです😉