けめこ

仮⾯ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤルのけめこのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ギロリ様…!やっぱり彼には彼なりの"理想のゲーム"があって、それはゲームに介入してまでも守りたいものだったんだね…!

1つ、公平公正であること。英寿はシェイクスピアの言葉を「シェイクスピアもこう書いている」ではなく、「言っていた」とあたかもリアルタイムで聞いたかのように言っていた(言葉のあやかもしれないけど)。そんな彼が勝ち続けることは公平ではない。人生経験が違うのだから。だからあんな強引な手段を使ってでも落とそうとした。もちろんゲームの核心に近づきすぎた、もあると思うけど、それだってただいろいろ探られて鬱陶しい邪魔だっていう単なる嫌悪じゃなくて、ギロリの理想のゲームを続けるためだったはず。一方で、英寿がこの時代の人間じゃないというチートを知らない景和や袮音がそれに反発するのも当然なんだな…。

そしてもう1つは、世界を守ること。この世界が守られてこそのゲーム、デザ神はその栄誉を称えるもの。英寿以外のライダーたちにも、露骨なキツネ狩りの前までは、英寿の代わりに世界を守れと言っていたし。まずそこをいちばんの大前提として考えていた。そんなギロリ様が最推しです。



あと真司くんっていうか須賀さん!!今の年齢になった須賀さんはもう真司くんよりもリュウガの裏真司の方が近くなってて、うわーーー年を重ねた須賀さんかっこいい!!むしろ今こっちのが向いてるもんね!!って感動してて。そこに龍騎が来てですよ。第一声からもう、あの頃の真司くんだった。すごい瞬間だった。紛れもなく真司くんがそこに来た。声一つでこんなにもあの頃が再現される。そりゃご本人様だもんね!年を重ねてもあの頃の真司くんは須賀さんの中にずっといて、いつでも戻ってこれるんだなあっていうのを、改めて実感した…。最後もよかった、令和の真司くんと言われる景和に会ってくれて…!!



ストーリーは…ギーツの話だけでよくないかな…みたいな。リバイスのパートは、とりあえずブルーバードが戦うシーン見れたねってのと、バイス復活だけのための前振り、かな…。
そもそもリバイス本編に文句があって。ギフの遺伝子持ってるってわかってたのに、なぜに子供3人もつくった?てのが。パパさんは忘れててもママさんはわかってるでしょ。アマゾンズの、子供をつくることの責任と向き合い方がすごく好きで…だから、幸せな家族といえば子供!みたいなノリの五十嵐家の両親が好きになれないし、制作陣がそういう昭和家族観ハッピー思考停止なのが見えてきちゃってきつい。そして夏映画でも妊婦出して、また今度は弟。ほんとに幸せといえば子供!の一つ覚えなのが…きっついな…今令和だよ…??

そして、やっぱり弟に宿ったギフ遺伝子持ちの悪魔が狙われるじゃん。ここで思った、「子供つくった責任とってパパさんが戦えよ」。なんでブルーバードが出動してるのかも謎、世界全体が狙われたわけでもないし、完全に公私混同じゃん…いやまあ確かに地球滅ぼす的なことは言ってたけど、でも弟を取り戻すためにブルーバード出動したよね…
あとシンプルに仮面ライダーデストリームのガワが好き…ジュウガ出してる暇あったらデストリーム出してくれよ…!!

あとはもうお決まりの、人数で押し切るバトルシーンと、役者の力に頼りきりのウェッティな心象風景でいつものリバイス。バイス復活して戦いの場に現れた一輝の表情めちゃくちゃ良かったし、大二もさくらもちょっと見ない間に大人っぽくなってて…役者はいいのよ役者は…。



一方でギーツのターンは、ゲームマスターに替えがきくのはほんとなんだなってのがわかったり、ゲストライダーの話もしっかり作り込まれてた上に個人的に好みな感じのエグみで、めちゃくちゃ良かった…。
テレビで、ギロリの更迭がニラムの指パッチン一つだったのはなかなか衝撃的だったけど、その前にも更迭されたゲームマスターがいたということ。コラスの時代は名前もデザグラではなくロワイヤルだった。そしてそのコラスは、世界に生じた裂け目をシーカーに維持させることで、この世界そのものを生き残りエンターテイメントにしようとしてた。つまりギロリのゲームのように勝てば被害者の復活、てのもない。それは更迭されるわ。でも、龍騎世界のライダーをデザイアロワイヤルに招待するという能力を持ってたことは評価したい。映画向きですね(笑)

そして黒い政治家一家でグレて格闘の道に進むも事件起こしちゃって、一家の汚れ仕事担当にさせられて、、、っていうシーカーがめちゃくちゃ不憫だけど自業自得でもあるよって感じで、、、このドロドロ感、好き!!!あと大貫さんは文句なしにかっこいいです、はい。やりたいことが特になくて、父親のためとも思ってなくて、とにかく力と強さだけを求めてて、でもその中に、やさぐれてこんなんなるまでの人生がにじみ出てるというか…父親も期待しなかった、してくれなかったんだろうな、とか、それなりに格闘を真面目に頑張った頃もあったのにやっぱりやさぐれちゃったのかな、とか、いろいろ想像してしまった。ゲストにしておくにはもったいない情報量とキャストだわ。テレビのデザグラにも参加しませんか?

テレビで、晴家ウィンくんが自分の理想の世界…叶えたい!ってなって英寿と意気投合した回がめちゃくちゃ好きなので、このシーカーの顛末は、理想の世界を見つけられないままやけくそで親の言いなりになっていた、ウィンも辿るかもしれなかった結末、って感じもした。やっぱり理想を掲げてそれを目指す人は強い、そうでなければ弱い。願いはなんだ?どう生きる?という問いかけがギーツのメッセージなんだ。

新年初映画がこれで良かったです!!!
けめこ

けめこ