けめこ

映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐のけめこのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

分離した英寿、残っていたのは「願い続ける心」…。めちゃくちゃ良かった。だって2000年間願い続けて折れなかった心だもん、力よりも知恵よりも運よりも強いに決まってる。コメディわちゃわちゃで始まりながら実はそのわちゃわちゃさえも芯となるテーマへの助走で、もう…良かった…。
かつそのコメディもちゃんと面白くて、というかもう簡秀吉だよね?パンフレットでもみんな口をそろえて普段の簡秀吉って言ってるしwスタッフ、どうしても素の簡くんの面白さを出して遊びたかったんだよね?オタクもそれ見たかったですありがとうございます。でもちゃんと英寿に戻れるんだもんな~演技の振り幅!それぞれの世界のメンツの組み合わせも面白いし…冴さんはともかくツムリちゃんまで戦う羽目になるし、つばさくんの乗馬!!!!かっこよかった!!!!祢音ちゃんの女学生も可愛いし(何をやっても可愛いのは大前提として)、景和wwwwライダーにならずに就活失敗してたら迷走してこんなんなってそうな謎の説得力wwwwダサいのにある意味着こなしててすごいぞ!?wwww

この世界で誰もがそれぞれの幸せを願いながら必死に生きている、それは力を失ったって関係ない。このテーマがケイロウから抜け殻英寿にバトンタッチされたのが良かった。高齢のケイロウだって、一度は若返りたいと願ったけれど、別に若返らなくたって今を全力で生きている。能力の有無は関係ない、大事なのは今ここにある気持ち。だから能力を失ったって、今の英寿に戦いに行きたい気持ちがあるなら信じて行かせてやる。この深みがもう…ケイロウおじいちゃんにめちゃくちゃ勇気もらった…

TVでは最近まで対立しちゃってた景和と道長が共闘するのもアツい!!!!タイクーン負けたかと思ったらバッファの手助けで押し返すじゃん…!一度はバッファに大ダメージを与えたブジンソードで、バッファのサポートを受けて攻撃するのテンション上がった!

これだけライダー大集合するのに五十鈴大智おらんのかいと思ってたけど、これはあいつ入れちゃダメだwある意味あいつも願いを諦めない不屈の心持ってるけど!ここにふさわしいのは間違いなく今回のメンツだった。
最後にパンクジャックがもっかい路上ライブから始めてたのも、それをケイロウおじいちゃんが見てくれてるのもすごく良かったなあ…冴さんも相変わらず活躍してるみたいだし、祢音ちゃん、家族愛だけじゃなくて友情の愛もたくさん手に入れててどんどん幸せな顔になってる気がする。
あとエンドロールと言えば、佐藤瑠我くんの演技力よ…!セリフないのに沙羅姉ちゃんとの会話が聞こえてくるかのようだった…この子マジで売れると思う。

戦隊がわりと個々の物語にそれぞれで向き合う、って感じだったから、むしろこっちの方が戦隊っぽさあったな。やっぱり全員の願いで力を一つに、ってすごく王道で好きだし、みんなが英寿にもらった言葉を思い返すことで、抜け殻英寿がただの抜け殻じゃなくなるのがとても良い…良いしか言ってないw結局、英寿の強さってそこなんだよな。みんながそれぞれ思い出した英寿の言葉、それは力でも知恵でも運でもなく、間違いなく英寿の「心」から生まれた言葉だから。

地味に重要なことも言ってた気がする、メラとメロが地球を滅ぼしても、未来人は地球を捨てて宇宙空間に住んでるから関係ないのね。なんとなくそんな感じかなとは思ってたけど。未来人たちの歴史観は、連綿と歴史がつながってその先に今があり…みたいなのとはかけ離れてるんだろうなあ。一度地球滅亡という断絶を挟んでるから、それ以前の歴史はどこか別世界の出来事なんだろう。
メラの在り方も英寿といい対比だったな、詰めの甘さは油断、すなわち全身全霊をかけて願う姿勢とは正反対だし、メロも別に一緒に願う仲間でもなんでもないわけだし。それでいてちゃんとかっこよさ、ヒールの色気みたいなのもあって、長田さん良かった!!もちろん遥ちゃんは言わずもがな!

あと、ちょいちょいジーンが出てきてこっち見る演出は、一緒に見てるようでいて楽しくもあり、必死に生きる彼らをエンタメとして消費していることを皮肉られているようでもあり、いい意味で複雑な気持ちにさせられたなあ…もちろん映画は娯楽として楽しめるようにキャストスタッフの皆さんが作ってくれてるんだから楽しめばいいんだと思うんだけど、他人の現実の人生をネタにするようなことってSNSとかで日々リアルに起こっていることだから…楽しんで消費することと真摯に向き合うことの線引きは持っておかないと。

最後に、メラメロの配信画面の枠に、右側にチョコレート、左側にプラネット(惑星)があるのに気づいて一人で笑ってましたw
けめこ

けめこ