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ゴジラ-1.0のTBearのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.3
2023年33本目。

戦争の恐怖から逃げた元特攻兵の敷島。戦争から逃げられても、ゴジラからは逃れられなかった…

敷島が戦時中に目撃したのは、超巨大で武器での攻撃をものともしない恐竜のような怪物。辛くも大戦を生き延びた敷島に付き纏う恐怖は戦時中の命の危機だけではなかった。

戦後、荒野と化した東京で敷島は新たな生活を始めていた。新しい仲間も出来、敷島だけでなく日本が復興に向かい始めていた矢先、戦時中に見たあの怪物"ゴジラ"の脅威が東京に迫っていた…!

目の前で死んで行った人たちの亡霊や、ゴジラの恐怖が敷島を襲う。未来へ向かって歩み始めた日本に訪れる、戦争を超えるほどの脅威。果たして、どうやってその脅威を退けるのか。

敷島を演じる神木隆之介さんの演技がすごい。怯え、覚悟を決めた顔、錯乱状態。真に迫る神木隆之介さんの演技がたくさん詰まっています。

敷島の仲間も皆キャラが立っていて面白かった。ゴジラ出現〜典子と明子との生活、戦後の復興の様子〜ゴジラとの全面対決まで、順序立てて丁寧に描かれていたから、敷島の苦悩が痛いほど伝わって来た。

現代のような最新兵器も無い状況で、どうやってゴジラを撃退するのか、ワクワクしながら観ました。街を破壊するゴジラ、やっぱり画になりますね。

山崎監督の描く昭和の人々も好き。ゴジラ抜きにして、それぞれの人間模様だけでも引き込まれる。

フィナーレでは泣いてしまいました。舞台が戦後直後なのが、とてもゴジラと親和性が高くて、堪能出来ました。いい映画だった。
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