鑑賞後、暫くこの映画の事が頭から離れなくなりました。
本当に凄い映画でした。
今作で自分が感じたメッセージ
①悪意の無い言葉でも人を知らずに傷つけていることがある。
②人は自分の視点からしか物事を捉えられず、時にそれは事実を歪めて見てしまうこともある。
「怪物め!」みたいな悪口ならまだ意地悪で言ってると分かるから良いんですよ(良くも無いけど)。
「シングルマザーだと〜」
「普通に〜」
こんな何気ないクッション言葉のような言葉が、時に人を傷つける。
悪口と違い、言った相手に悪意は無いから難しい。
そして自分の視点からしか物事は捉えられないので、同じ状況下でも受け止め方は異なる。
湊の母親と保利先生が校長室で話した時、それぞれの視点ではだいぶ印象が異なるのがそれだ。
他にも湊の母親が笑った保利先生に怒るシーンもあるが、本当に保利先生は笑ったのか。
湊の母にはそう映ったのは事実だろうが、保利先生からしたら全然違うかも知れない。
色々考察できる映画は面白い。
「怪物は〇〇のことかな」
「みんなが怪物だってメッセージだね」
「怪物なんていなかったんだよ」
と、観た人は様々な考えを持ち、観た人によって視点は異なる。
私はあるシーンで、放火犯について「こいつが放火の犯人か...」と思った。
でも別の人のレビューを読んで、なんか自分の考えは違う気がしてきた。
こうやって怪物が生まれる。
さて、肝心の子供らについてですが、語ると色々ネタバレになるので話すに話せない。とにかく素晴らしかった(雑)。
ラストシーンはとても美しいのだが、同時にその状況を考察すると泣きそうになった。
勝手な考察なんていらない。
あの美しい空間で2人で笑いあった。
その事実だけで良いではないか...。