イランの国境近くで車を走らせる一家。
成人した長男は何やら神妙な面持ちで、助手席の母も笑顔と悲しげな顔が交差し、後部座席にいる父は不機嫌そう。
何も知らないのは幼い次男、そして映画を観ている観客。
旅の目的も分からぬまま、車は広大なイランの地を走る。
内容全てを理解は出来なかったが、ロードムービー好きなので楽しかった。
“行く先を知らない”ってタイトルなので、一応ネタバレなしで見た方が楽しめるかも。
もう少し説明が欲しいなと思っていたけれど、説明が無いことで色々考察出来るのかも知れない。
正直長い会話にも内容があるのか無いのかよく分からず、退屈に感じた部分もあったけれど、自分には気づけていないメタファーなんかが色々あるんだろうな。
自分は只々、イランの広大な風景に癒やされていた。
広い大地にたたずむ登場人物達を引きの長回しで撮られてる映像とかとても美しい。表情が分からないから余計にその時の心情なんかを考えてしまう。
幼い次男くんは最初うるさいと思っていたけど、彼の明るさが良いスパイスだった。
イランという国をよく知らないので、情勢を知るとこの映画がより理解できるのかも知れない（色々な方のレビュー参考になりました）。
イランの映画って珍しいと思ってたけど、自分の鑑賞済み作品だと
『友だちのうちはどこ？』
『運動靴と赤い金魚』
なんかもイランだったのね。
どれも自分好みなので、これからもイランの映画に期待。
