「怪物だーれだ」
この台詞が使われるとこ好き。
今年ベスト級の一本。是枝監督は自分が最も好きな監督の一人ですが、毎回観るたびに泣かされて心を揺り動かされますね。
息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす大きな湖のある郊外の町。どこにでもあるような子供同士のけんかが互いの主張の食い違いから周囲を巻き込みメディアで取り上げられる。そしてある嵐の朝に子供たちが突然姿を消してしまう。
是枝監督とスピルバーグ監督が子役の使い方が最も上手い監督の二台巨頭だと思う。是枝監督は子役の自然体な演技に、俳優たちが合わせている感じがするので子役をメインに据えて撮っている印象。本作も黒川想矢と柊木陽太さんの演技が凄い。彼らのエピソードが一番心に響きました。
本作は3パートに分かれており、話が進む度につれて真相がわかる作りになっています。それ自体は別に珍しい演技ではないんですが役者陣の演技がめちゃくちゃ素晴らしいので「あ、怪物はこの人か」と思ってると価値観がひっくり返るんですよね。裏を返せば誰しもが怪物になり得てしまうということ。
ちなみに自分が一番好きな日本映画は『歩いても 歩いても』ですが、本作もそれに次ぐくらい好きな作品です。でもなかなか精神がやられるので体調が良いときに観ましょう。