KanaiSatoru

君たちはどう生きるかのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0
君たちはどう生きるか?を観ました。

この映画、封切り直後から賛否両論たくさんの感想が巻き起こっていますが、ポイントは2つあって、この2つについて自分なりの感想を書きたいと思います。

まず1つ目は広告宣伝なしで、どれだけ観客数を得られるか?と言う実験的な試みに対して、結果がどうであったのか?

結論から申し上げると公開初日から動員数1位を獲得しており、この数日の動きを見る限りでは成功だったのではないかと言う感想になります。
なんと2001年公開『千と千尋の神隠し』の公開後4日間の興行収入・19億4000万円を軽く超えました。

ポイントは宮崎駿と言うネームバリューでしょうね。
これが宮崎吾郎だったら、こうも行かなかったかもしれません。
知名度のある監督や知名度のある俳優などの影響力で、宣伝しなくても人が集められるということを証明しましたね。
まぁだからといってキムタクの映画が彼だけの力で広告なしでヒットするかと言えば、それは恐らくなしでしょうが。

次に2つ目のポイントですが、この映画の題名から推察するに、監督は、若者に人生の生き方について考えてほしいと言うメッセージが込められているはずです。
ではそのメッセージが見る側に伝わったのかどうか?
ここが2つ目のポイントです

結論から申し上げるとイマイチでしたね。
過去作品のオマージュや、遊び心や、最後の作品としての感傷的な部分が出てきて、いろいろ盛り込みすぎたあげくに、1番伝えたいメッセージがストレートに伝わらなくなったというのが僕の感想です。

人生は正解がわからないものだから、自分なりに考えて自分なりの答えを出すものだ。
もしそんなメッセージを届けたければ、そこまで複雑な話にする必要ない。

そうは言っても直球ストレートでも詰まらないから、今回は前向き捉えてみます。


ここから若干ネタバレあります。


主人公の男の子の立場は、けっこう複雑で、母親がいないとか、父親が再婚するとか、馴染めない学校生活とか、一見裕福に見えるが心が満たされないとか、そういった複雑な環境を用意することで、世の中には外からわからないいろんな問題を抱えた人たちがいるんだよと言うメッセージ話が1つ。

そしてそれでもみんな生きているよ、それぞれが自分で考え、自分で決断し、自分なりの正解を見つけようともがいているんだよ、と言うメッセージがもう一つ。

主人公の人生を描く中で、さて、あなたの置かれた環境はどうですか?
あなたの今の気持ちはどうですか?
あなたは自分で考え、自分で決断していますか?
そんなメッセージを投げかけていたんだろうと、前向きに解釈することにします。

感想としては、長くなるので、ポイント2つに絞っておきました。
比喩が多くて単純に笑った泣いたという感想になる映画ではないですが、見終えた後に色んな話をしたくなる、そんな映画です。

個人的には80点です。
感想聞かせてください。
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