ひこくろ

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのひこくろのレビュー・感想・評価

4.4
土台が完成した映画の続編ってのは強いなあ、と思った。

ちひろとまひろをはじめ、その他のキャラクターたちも前作で完全に出来上がっていて、今作ではその色をさらに強めている。
このキャラならこうする、というのが徹底されているので、観ていてとにかく気持ちいい。
もう、この人たちが出てきて話をしているだけで、面白くなるのだ。

前作でも言ったが、ワチャワチャした会話も、ボケも、何もかもがこれしかないという感じ。
こういう見方はもしかしたらよくないのかもしれないけれど、完全にキャラのファン目線になる。
でもって、映画はその部分をまったく裏切らない。

しかも、おかしさや楽しさが強調された分、ギャップもまた際立ってくる。
おかしな会話からすっとシリアスに入る瞬間、ふとした時に漏らす真剣な表情、など、ギャップはたまらないほどの格好よさを生む。
なかでも、今回強調されていた「プロとしての顔」は、ギャップの真骨頂だと思った。
死を覚悟し、自分の死体調書を書かせようと指示する田坂。
その死にかけの田坂に犯人の行方を冷静に問い詰めるちさととまひろ。
まひろの「私に賭けろ、杉本ちさと」のひと言。
そして、ラストシーン。

格好よさという点では明らかに前作を凌いでいた。

今回から登場したキャラクターたちのノリノリ具合も素晴らしい。
ゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)はまるで男板のちさととまひろのようだし、宮内(中井友望)のツッコミのキレは田坂(水石亜飛夢)の魅力までも一気に引き上げる。
そればかりか、彼らにもまたギャップで格好よく輝くシーンがあるのだ。

二作目だからこそ余計にキャラの魅力が高まった映画だと思う。
三作目もいまから楽しみでしょうがない。
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