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search/#サーチ2(2023年製作の映画)
3.6
『ツイストさせまくる脚本で魅せる、異色のサスペンス・スリラー第2弾』

デジタルデバイスの画面上だけで繰り広げられるサスペンス・スリラーとして大ヒットを記録した【search/サーチ】(18)の続編。
オリジナル作品として多くの観客に受け入れられ、後に【THE GUILTY/ギルティ】(19)などのシチュエーションスリラーにも少なからず影響を与えた、大ネタ使い映画である。

一応、その続編にあたる本作だが、それぞれが独立した作品として観ても十二分に楽しめる一作となっていた。
※実際、原題は【Searching】と【Missing】で、タイトルとしても独立を匂わせている。

行方不明になった娘を父が探す1作目に変わって、本作は失踪した母を娘が探すドラマが繰り広げられる。
本作の見どころとしては、デジタルデバイスのあらゆるツールやアプリを駆使して、観客に「こうすればいいじゃん…」というのをことごとくやってのけてしまうスピード感がある。
難癖つけやすいこのテーマにおいて、ここまでモノにしているのは見事だ。

そしてデジタルネイティブ世代(主人公・女子高生)恐るべし。
本気になったら超優秀だ。
その展開の速さがポップコーン・ムービーとして質高い。

また、もう一つの見どころである、予測不能なサスペンス・スリラー脚本について。
前作を観てハードルが高まった観客に対して、「絶対に予測不能」を信条に練り上げた、制作陣の熱意が伝わってくる。
文字通り、10分ごとにツイストしまくるし、その果てには予想を遥かに超えた展開が待っていて、もはや笑ってしまった。
ただ、ツイストに力を費やした分、ドラマとしてはどうしても弱かったか。
まあ、作品の本質を思えば、ドラマの弱さはご愛嬌といったところだろう。

総じて、続編の期待に応えうる一作になっていたと思う。
そして、
こうしたオリジナル作品が口コミも含めて観客の足を劇場に向けるのは、とても喜ばしいこと。
近年、オリジナル作品でのヒットはアニメーションかホラーか、という状況に陥りがちなのは確か。
本作(本シリーズ)に触発されて、またこうした斬新なエンターテイメント・ムービーが生まれることに期待したい。

▼邦題:search/#サーチ2
▼英題:Missing
▼採点:★★★★★★★☆☆☆
▼上映時間:111min
▼鑑賞方法:ストリーミング鑑賞(Amazon Prime Video)
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