ギルド

ミュージックのギルドのレビュー・感想・評価

ミュージック(2023年製作の映画)
4.0
【神話を演じる人間を人間たるものにした営み】【東京国際映画祭】
■あらすじ
ベルリン映画祭で銀熊賞(脚本賞)を受賞した作品。

ほぼ全ての台詞が歌として歌われるユニークなスタイルで、オイディプス王の物語をモチーフとしたストーリーが展開する。

■みどころ
率直に言って凄く難解な映画でした。
映画中に途中退出する人が続出するのも無理ないかなぁとも思いました。

ソフォクレスのオイディプス王を題材にした話。 先述の通り、もはや暗号の難解な領域でオイディプス王の物語の断片的な要素が散りばめられてる。
足や、足に怪我を追うシーンが象徴的に使われているがそういったシーン以外はかなり省略的な映画に感じる。

現代の世界でオイディプス王の物語を換骨奪胎したような作品であるが、一通り見た上で薄っすら感じたのは
「人間において特別な出会いを果たした運命に神話のような存在」があり、それを人間が演じる姿に神秘的な何かを現出しているのが特徴だと思う。
けれども人間は神ではないから、文化的営み・家族の営みを通じて人間たる要素を果たしながら特別な運命を全うする神秘さを映したいのかなと思いました。

自然な人間の営みを超越したオイディプス的な神話を現出して音に神的な意味を引き出してる…のかもしれない。
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