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AIR/エアのbackpackerのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
3.0
「ただの靴も、誰かが履けば意味が生まれる」

80年代の空気感が伝わる、ギラギラ親父達のパワフルお仕事映画。
「マイケル・ジョーダン、単勝に全賭けだ!」という一人の賭け狂いオヤジの直感に振り回される職場の同僚達は、付随する情熱を加味しても、えらい迷惑ではあったことでしょう。
NIKE側の主たる登場人物が、ギラギラオヤジ達5人だけなので、バスケットボール担当の他の仲間達と喜びを分かち合うクライマックスは、全く共感を呼び起こさなかったですね。話にカケラも絡んでこない人とは、盛り上がりようがないでしょうが。


マイケル本人の顔を決して見せないという手法が、NIKE側の物語を見せることに徹する意味ではとてもマッチしていましたね。
その意味でも、本作最大のキーパーソンは間違いなく、ジョーダン家の肝っ玉母ちゃん。
この人の存在感こそ、物語の後半を萎えさせない決め手だったように思えます。

Amazonスタジオ製作のため、当初は配信のみの予定だったところ、試写が好評のため配給に切り替えたのは英断でした。
なんやかんな、大きなスクリーンと良質な音響設備の下で見たい、適度な映画だった印象です。
特にオープニングの、80年代カルチャーモンタージュ。ああいう絶妙にくだらない空気感は、映画館で見てこそ深まる味わいがありますよね。エアロビの映像なんて、久しぶりに見ました。
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