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ぼくの神さまのmQのレビュー・感想・評価

ぼくの神さま(2001年製作の映画)
3.7
何を血迷ったか中学生の時に見てしまい、ほとほと後悔した映画です。
久しぶりにTSUTAYAの取り寄せを利用して鑑賞したので書き直します。(6/25)

年齢を重ねてから鑑賞すると、哀しい話というだけでなく時代背景の色濃さから宗教まで、様々な情報が詰め込まれています。
しかし今回より強く感じたのが、当時厳しい戦争の最中にいて身体的、精神的に追い詰められていた子どもたちがいかに多かったか。これはある小さな村の話ではなく、当時は多く見受けられた現象の数々なのではないでしょうか。

そして、タイトルの「ぼくの神さま」が見直した事で深く分かった気がしています。
私はキリスト教徒ではないので知識としてはごく基本的な事しか念頭にありませんが、信仰する人々にとってのイエスの存在や何かに祈りを捧げる事で心の安寧を得る姿の慎ましさや健気な様は小さな坊やトロの想いと重なり更に清廉として見えました。

主人公はオスメントくん演じるロメックだったと思うのですが、その中心に眩いばかりの存在としてトロくんが居たと思います。
ラストは、あの汽車が行き着く先を知っている私たち現代人や大人達にとっては壮絶ですが、きっと小さな彼には大変に意味のあること。
イエスは昔、人間でした。
マリアという人間の女性から生まれた、1人のユダヤ人でした。

彼はイエスに寄り添うのではなく彼自身になって、彼を愛してくれる人を救いたかったのかもしれません。
そして優しいロメックはそれに気付いたからこそ、自分が生きる事を選んだのかもしれません。

難しいけれど見る年齢によって変化を感じる作品です。
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