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バトル・ロワイアルのmQのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.2
懐かしき良き時代ですね…
まず無条件でたけしさんと映像が好きです。俳優として参加している作品をいくつか拝見していますが、〝唯一無二”を体現している。
主演は藤原竜也と銘打たれるのでしょうが、何度観てもたけしさんから目が離せません。

原作未読ですが、当時今作を初読した人が受けた衝撃はかなり大きかったでしょうね…設定が滅茶苦茶であり得なくて倫理観なんて冒頭から一切ない。

しかし現代の視点から観ても全く不自然なく子どもたちが理不尽極まりない思いをさせられていて、日本は既にこの時代から何かが滞ってしまっていたのかと気付かされます。

そして何よりもバトロワの面白いところは、一見その子どもたちを取り巻く理不尽さやただならぬ不安感は大人たちも同時に抱えているというところ。
教師をはじめ毎日必死に働くサラリーマンやOLの姿が映される場面があり、何のために存在し、働き、生きていくのか、目的を失いつつあった閉塞感のある時代を象徴していました。

万が一そんな世界でBR法が施行され、自分自身がこれを娯楽として楽しめる立場の大人側だったとしたら愉しんでしまうかもしれない…
ひとりまたひとりと壮絶な死を遂げていく生徒たちをワクワクした感覚を持ちながら観ている自分に急に恐ろしさを覚えました。

生徒の中でも一際目を引いたのがやっぱり栗山千明さんと柴咲コウさんだったなあ〜
2人とも目力は勿論なんだけど、あり得ない世界に溶け込むのが上手すぎる。美人さんの透明感×狂気ってクセになるね。

続編を観るかは気分次第にしときますが(藤原竜也が苦手なため笑)今作は日本人なら観ましょう!
今はもう創ることが出来ないかもしれない。私はまた、この衝動が生まれるのを待っています。
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