ナーオー

ネクスト・ゴール・ウィンズのナーオーのレビュー・感想・評価

4.0
タイカ・良いティティな映画!

今となっては『ジョジョ・ラビット』でアカデミー脚色賞を受賞し、MCUで『マイティー・ソー バトルロイヤル』、『ソー ラフ&サンダー』などですっかり有名になったタイカ・ワイティティ。

個人的には『ジョジョ・ラビット』は全然ダメでした… 映画としては質が高いと思いますが、ほんの数十年前に起こったホロコーストを大昔に起こった出来事のように描いているところや美談にすれば観客は感動すると思っている安易過ぎる結末など、総合的に見ればその年のワースト級の映画。『ソー ラブ&サンダー』は言うまでもなく……

正直、ワイティティ監督の映画で好きなのはハリウッドに来る前のニュージーランド時代。『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』や『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』など。特にハント・フォーはオールタイムベスト級に好きな映画。

そして最新作『ネクスト・ゴール・ウィンズ』はハリウッド製作とはいえ、ニュージーランド時代に戻ったかのような能天気な作風で久しぶりにタイカ・ワイティティらしさを堪能できる作品でした。

スポーツ映画ではありますが、勝ち負けに焦点に置かず、とにかく気楽でのんびりした映画。ガチガチのスポ根映画を期待した人からすれば肩透かしを喰らうかもですが、そもそもワイティティがそんな映画を作るわけがないし、作れるわけがない笑

最初は1ゴールを目標にしていたものの勝ち負けなんて気にするな。楽しめ!という展開は普通に感動するし、現在24歳で将来にまだまだ不安しかない自分にとっては胸にくるものがありました。

前作がデヴィッド・フィンチャーの『ザ・キラー』というマイケル・ファスベンダー。いつもシリアスな役柄が印象的なファンベンダーのコミカルな演技も新鮮でしたし、オスカー・ナイトリーをはじめとしたサモア系俳優たちが演じる地元民たちは観ているだけで楽しい。

タイカ・ワイティティはオスカーを狙った'綺麗事"な映画を作るよりも、本作くらい軽くて良いから、こういう映画を作り続けて欲しいです。
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