ナーオー

ブリックレイヤーのナーオーのレビュー・感想・評価

ブリックレイヤー(2023年製作の映画)
4.0
監督レニー・ハーリン
『ダイハード2』『クリフハンガー』
『ロング・キス・グッドナイト』
『ディープ・ブルー』『ドリヴン』
など金曜ロードショーや日曜洋画劇場を観て育った身としては並べるだけでにニッコリする作品ばかり。

そんなレニー・ハーリンですが、10年前、『ザ・ヘラクレス』が批評的にも興業的にも大失敗。映画評論家たちからは"大人が作った映画とは思えない"とまで酷評されました。しかし、そんな程度ではへこたれないハーリン監督。思い返せば『カットスロート・アイランド』や『エクソシスト ビギニング』とか批評的にも興行的にも失敗した例は過去にも多く、特に前者に至っては製作会社カルコロを倒産させ、"最も興行赤字が大きい映画"としてギネスに記載されたほど。

ここ数年は中国でよく分からない出稼ぎ映画を2、3本作ったりしていましたが、前作『ザ・ミスフィッツ』で韓国とアメリカ合作映画として久しぶりにカムバック。

そして本作『ブリックレイヤー』で完全アメリカ映画としてカムバックを果たしました。当初はジェラルド・バトラー主演で企画されていたそうですが、色々あって、『エンド・オブ』シリーズでバトラーと共演していたアーロン・エッカートが主演に。

ストーリーはこれまで腐るほど観た、いつもやつ。そこに新鮮さはないので、今まで観たことがないフレッシュなストーリーを期待している人、この映画を観る人でそんな人はいないと思いますが… そういう人は100%物足りないはず…

でもアクションは流石レニー・ハーリン。アクションにチープさはなく、銃撃戦と爆発のオンパレード。全盛期の勢いはしっかり健全。おまけに本作は主人公が元CIAのレンガ職人という設定なので、ちゃんと職人道具で戦ったりするのが面白かったです。でもまぁ、後半のアクションはその設定が活かされているとは思えなかったですが…

ちなみにアーロン・エッカートは元CIA工作員のレンガ職人に扮するにあたり、実際にレンガ職人の元で業務を学んでから撮影に臨んだとのこと。そんなことしなくてもいいのに笑

そんな馬鹿真面目なアーロンが大好き。

このアーロン演じる主人公と嫌々ながらコンビを組むことになる女性の新人スパイ。これを演じるニーナ・ドブレフ、ちょっとエリザベス・オルセン似でとても可愛かったです。なんならこのコンビを描いた映画、あと2本くらい観たい。

でもまぁ 突っ込みどころや不満なところもあるにはある。例えば、そもそもCIAが悪いのに、いくら尻拭いとはいえ、こういう娯楽アクション映画の割にはスッキリさせてくれなかったり… いかにもな胡散臭さを発揮しているCIAの高官をせっかくティム・ブレイク・ネルソンが演じているのに…

他にも車の場面。カーチェイスは流石レニーってくらい気合が入っていますが、カメラが車内に切り替わると窓から見た外の風景があまりにも雑な合成過ぎる…

アクションがクオリティー高い分、そういう雑なところに目が行ってしまう…
この映画に求め過ぎるもの良くないのは重々承知とはいえ、気になるところはめちゃくちゃ気になる… でも何も考えずに観る分には楽しめる娯楽アクション。

完全復活を遂げたレニー・ハーリン。
次回作はブライアン・ベルティノの『ストレンジャーズ 戦慄の訪問者』を三部作として新たにリメイク。しかも、それを一気に製作して第一弾の『The Strangers Chapter 1』がアメリカで今年5月に公開予定。

他にも本作と同じアーロン・エッカート主演でサメ映画『Deep Water』を監督予定など、今年65歳になるレニー・ハーリンからまだまだ目が離せない。

個人的には『ストレンジャーズ』三部作は結構期待しているので楽しみです。

あとレニー・ハーリンには是非とも、『エクスペンダブルズ5』の監督を務めて欲しい!

頼むレニー!
アンタの『エクスペンダブルズ』が観たいよ〜!
ナーオー

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