時代劇用の馬すら用意するのが大変と言われる昨今、ここまで本格的な合戦シーンが見られるだけでも充分に面白かった。
天下統一を掲げる織田信長の家臣、荒木村重が反乱を起こし失踪する。信長は羽柴秀吉、明智光秀らを集め、自身の跡目相続をちらつかせ村重を捜索させる。そんな中、軍司・黒田官兵衛に捕らえられた村重は光秀に引き渡される。だが光秀は村重を匿い続け…。
よく「時代劇版のアウトレイジ」と言われてますがアウトレイジよりはコメディ色が強い本作。アウトレイジもだいぶコメディ面が強い所もありましたけどね。みんなクセがありすぎて頭が良いのかバカなのかわかんないや笑。
たけし監督が描きたかったのは美化された戦国大名へのカウンターに感じる。現代で神格化されても、たかだか跡目のためにバカみたいに駆けずり回って滑稽じゃね？と思っているんだと思う。結構好きなキャラも多くて、特に加瀬亮はやりすぎなキチ◯イ演技がマジで上手すぎる。台詞聞き取れんがや！笑。
ちょっと苦言になるんですが、たけし映画って実は登場人物の殺し方が雑というかバリエーションが少ないと思う。『アウトレイジ ビヨンド』でドリルやバッティングマシーンとかで殺すのは良いんだけど、終盤ヒットマンがバンバン撃つだけだから後半微妙なんですよね。今回も終盤は草むらから「ヤー！」って奇襲かけて殺すのばっかりだし。
暴力描写については少しチープに見えるんだけど、それが昔の時代劇らしくて良かった。一斉に首を落としたり女子供を殺したりと、映画的にも攻めた姿勢は良し。予告から思ってたよりコメディ色は強いけどこの辺りは好みかな。
