ケイスケ

カード・カウンターのケイスケのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.9
なんだこれ面白い。めっちゃシブい。ポール・シュレイダー監督なので一定の面白さは期待していたが期待以上でした。

米国軍刑務所に10年間服役し、そこで覚えたカードの知識でギャンブラーとして生計を立てるウィリアム・テル。ある日彼は、自分と同じ戦場にいた兵士の息子だと明かす青年カークから復讐計画に誘われる。

個人的に最近オスカー・アイザックがアツい。彼の主演作は映画の格をワンランク上げてくれるし、なんだかんだスター・ウォーズのポー・ダメロンも良いですよ。でも二枚目役も良いけど、こういうシブい役もいいんだよなあ。てかシブいしエロい。この男スケベすぎるのである。

まず超シンプルなオープニングから掴まされた。ポーカーテーブルの緑のシートに白い字が出てくるだけ。こういうのでいいんだよ。全体的に劇伴もかっこよくて刑務所のシーンで流れるBGMが特に良かった。全編通してカメラワークはシンプルながらセンスあるんだけど、刑務所のとこだけ魚眼レンズみたいになるのがポイント。AVのVRとか言うなよ!笑。

ポール・シュレイダーらしい“復讐”と“贖罪”のテーマも健在。しかし彼が今までに監督や脚本をした作品よりも本作はかなりソリッドというか。別にポーカーの心理戦とかそこまで描かれてないし、ウィリアムは義務感でやってる感じ。終わりがわからない毎日を繰り返している虚無感があるんだよね。

話の本筋が行ったり来たりしたり、復讐や恋愛にしても中途半端なところもあるんですが、まあ人生なんてこんなもんですよ(?)でも前述したかっこいいオープニングからのあの切ないエンドロール!素敵!ポール・シュレイダーの次回作も楽しみですね。