「不謹慎」さに和む。
パワハラとセクハラの概念ばかりが必要以上に独り歩きしている気がする昨今。
反感買わないように忖度する。表現規制する。
そんなもんどうでもいいんだ！
とばかりに
たけしが元気にたけしやっているのが良かったです。
劇場公開までが揉めていたイメージがあったので、
もっと小規模でシリアスなものかと思っていましたが、、
思ったよりも（それなりに）規模がある時代劇。
堂々と展開されるパワハラに対して
立ち向かう側もコンプライアンス、モラルを破壊して突き進んでいくところが痛快でした。
そういう意味ではこれまでのたけしの映画と基本的に同じではあるのですが、
これまで「暴力」や「死への憧憬」へ昇華してきたところを、俯瞰的な視点から俗な部分に転換して笑いにしています。
ことごとく不謹慎な事象を堂々とエンタメにしてくるというところが気持ちよかったです。
事象の共有で、みているこちらも共犯的な感じに巻き込まれるのは「ひょうきん族」の時の面白さを映画にスライドさせてきた感じがありました。
笑いの起点になるものが「みんな〜やってるか」の頃と少し違って、
舞台である戦国時代自体も「不条理な現代」「理不尽な現実」から由来されているみたいに見えましたので、無茶苦茶なことやっているわりには共感性が高い気がしました。
既存のものを否定するところから入るのがたけしらしいところではあるので、以前の北野武、キタノブルーや芸人たけちゃん、転じて怒鳴りまくるアウトレイジとは違うところがある。
もはや、そんなものはどうでもいいと蹴っ飛ばせる
たけしの今のスタンスを見せてもらった感じがしましたね。
もう少し織田信長も明智光秀も観たい気がしましたが、今後観ることができないと思っていたたけしの新作が観れたのだから、もう良し^^;
