Dick

首のDickのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.0
1.はじめに:北野武監督との相性

❶北野武の長編監督作品は、これまでに第1作の『その男、凶暴につき(1989)』から本作まで、19本が公開されている。

❷その中で、『みんな~やってるか!(1994)』(下記⑤)以外の全作を観ている。マイ評価は、以下の通りで、トップの85点(下記③⑥)からワーストの20点(下記⑫)まであり、バラツキが大きい。

❸カンヌやベネチアでは高い評価を受けているが、全体として小生との相性は「中」。本作も「中」。

①その男、凶暴につき1989//60点/3B★★★
②3-4X10月1990//60点/3B★★★
③あの夏、いちばん静かな海。1991//85点/4B〇★★★★
④ソナチネ1993//70点/3B★★★☆
⑤みんな~やってるか!1994//未見
⑥Kids Return キッズ・リターン1996//85点/4B〇★★★★
⑦HANA-BI1997//80点/4B★★★★
⑧菊次郎の夏1999//60点/3B★★★
⑨BROTHER2000//60点/3B★★★
⑩Dolls ドールズ2002//60点/3B★★★
⑪座頭市2003//70点/3A★★★☆
⑫TAKESHIS’2005//20点/1C★
⑬監督・ばんざい!2007//40点/2B★★
⑭アキレスと亀2008//60点/3B★★★
⑮アウトレイジ2010//70点/3B★★★☆
⑯アウトレイジ ビヨンド2012//80点/4B★★★★
⑰龍三と七人の子分たち2014//60点/3A★★★
⑱アウトレイジ 最終章2017//80点/4B★★★★
⑲首2023//60点/3A★★★

2.ワンポイント・レビュー

❶相性:中。

➋時代:本能寺の変(1582年6月)前後。

❸考察:戦国武将と男色(なんしょく)と首取り物語
①「本能寺の変」に関しては、教科書、小説、映画、演劇等々、多くのソースがあり、その原因についても色んな説がある。
②信長を討った明智光秀が、主君に背いた逆賊とする説もあれば、反対に、正義を貫いた高潔な武将とする説もある。歴史に詳しくない小生には、どれが真実なのかは分からない。
③本作の北野武流解釈は、織田信長(加瀬亮)と明智光秀(西島秀俊)と荒木村重(遠藤憲一)が男色関係にあり、それが「本能寺の変」の原因だったというもの。
④明示されないが、信長と、美少年の小姓・森蘭丸(寛一郎)や黒人の家臣・弥助(副島淳)との間にも同様の関係があったのだろうか?
⑤北野武の脚本は、ロジックとして辻褄があっていて、説得力がある。フィクションとして納得出来る。ドラマとしては面白い。
⑥この3人に羽柴秀吉(ビートたけし)と徳川家康(小林薫)が絡んだ権力争いは、ヤクザ・暴力団の覇権抗争と変わりないように思う。
⑦つまるところ、武士道よりも野心と愛憎が勝ると言うことだろう。
⑧秀吉と秀長(大森南朋)と黒田官兵衛(浅野忠信)のやりとりはコントそのものだった。
⑨15億円の予算を投入した合戦シーンは見応えがある。
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