Joey

PERFECT DAYSのJoeyのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

夕日よりも朝日が好きだ。気持ちの良い朝に、オーティスの「The Dock of the Bay」やアニマルズの「The House of the Rising Sun」が来て、ヴァン・モリソンの「Blown Eyed Girl」なんかも聴こえてくる。しかもカセットテープで、ダビングしたヤツじゃなくて、正規に販売されていたヤツ。その音に吸い込まれてみたい。

開店と同時に銭湯に行って、いつも行く居酒屋では1500円ぐらいで酒とおつまみ。時々、演歌な美しいママがいる小料理屋で寛ぐ。自宅で読む本は古本屋ベタ褒めの傑作。こんな完璧な毎日はどごまでも尊い。同じように見えて、毎日、ちょっとずつ違う感動がある。あの木漏れ日のように記憶に留めておきたい、抱きしめたい時間が流れている。

平山の過去は分からない。分からなくても良い。想像するのも失礼な気がする。彼には人を思いやる心があって、初めて会った人のために涙を流せる男なのである。それ以上、何も知る必要はないだろう。ただ黙って彼の手を握り締めたい。きっと、それだけで、色々な想いが流れ込んでくる気がする。
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