ヨダセアSeaYoda

枯れ葉のヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.1
これは本当に2023年の映画か?そう思わせるほど“懐かしい”質感の作品だった。

『デッド・ドント・ダイ』のような最新映画が平然と流されても崩れないこのノスタルジーは、画面のサイズ比や画質を少し調整しただけで簡単に作れるようなものではないだろう。名匠カウリスマキ監督の“熟年”の腕があって、自然とにじみ出るものだと思う。

枯れ葉はまだ何とか葉の形を保っている。賞味期限切れの食べ物も、販売停止直後はまだ食べられる。錆びた機械の部品も、磨けばまだ少し使えそうだ。葉の最後の色づきたる紅葉には、人をハッとさせる美しさがある。それはどこか哀愁を帯びた唯一無二の感動であり、そんな哀愁の積み重ねこそが、今作全体のノスタルジックな空気を作り出す。まさに匠の技。

なんでもない会話の中のちょっとした温かさ。孤独や殺伐とした心を埋めるちょっとした人間関係。ウクライナなどの凄惨たる現実も目に留めながら、しかし、辛い時代だからこそ、どこにでも落ちていそうな人間の喜劇・悲劇を切り取るこんな温かく軽い作品が必要だと思わされる。

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観た回数:1回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点82pt/100pt 星換算★★★★4.1

95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級

《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
 84pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
 89pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
 84pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
 80pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
 78pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
 79pt/100pt
★音響(録音・音響)
 80pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
 --pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
 82pt/100pt
★配役(キャスティング)
 78pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
 --pt/100pt
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